これは誰かの責任だというわけではないが、新型コロナウイルス禍が、広く、深刻になる中で、来年7月の東京五輪に早くも黄信号がともっている。

日本など先進国では、第2波が来るにしても破滅的な被害になる可能性は低いかもしれない。新型コロナの正体が少しずつ明らかになるにつれ、特に日本では人々の行動も変容し、日常生活の中で感染防止をするノウハウが生まれつつある。いわゆる「With CORONA」だろう。

しかし中南米やアフリカ大陸などでは、今後も感染者は増大し、混乱は長く続くと考えられる。先進国であっても、アメリカは貧富の差が大きく、収束にはまだ時間がかかりそうな様相だ。

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そんな中で、来年の7月、日本がすでにコロナ禍を克服していたとしても、世界情勢はとても「五輪」どころではない可能性が高まってきた。

恐らく、日本の今後のコロナ危機は「渡航者」によってもたらされるはずだ。今も毎日10人前後が空港の検疫で陽性になっているが、国交が再開されれば、感染が終息していない国からウイルスがもたらされる可能性は極めて大きい。

東京五輪を開催すれば、感染地域も含め世界各国から選手団、関係者、メディアが押し寄せる。これによる感染拡大を食い止めるすべがないだろう。

国内スポーツは感染が落ち着けば、開催が可能になるだろうが、国際大会は全く別物だ。

来年7月の段階で、こうした問題がクリアされる可能性は極めて低いだろう。
「東京五輪の現場では、延期するとすれば来年ではなく、2年先、2022年にすべきだという声が大きかったが、政権の圧力で来年になった」という説がある。安倍首相が自分の任期内に五輪を実現したいと熱望したのではないか、という話だ。これ、かなり説得力がある。

現政権は、何としても来年、東京五輪をと思っている。昨日、安倍首相は「早ければ年内にもワクチン接種を始める」と言ったが、これも何としても自分の治世のうちに五輪をやりたいという首相の「願望」なのだろう。

現政権は、新型コロナ禍では、現実ではなく「願望」をたびたび情報発信して、社会を混乱させてきた。小さなマスクを配布したことが「マスクの価格の低下や安定供給に貢献した」や、日本の感染者数、死者数が多くないのは「日本方式が成功したからだ」などが典型だが、我が宰相は「こうあってほしい」という願望と「こうなった」という現実の区別がついていないのだろう。

IOCは「五輪の再度の延期はない」と明言しているが、本当に東京五輪を実現させたいのなら、少なくとも2022年への再延期を働きかけるしかないだろう。
それが難しいのなら、為政者自らが「東京五輪を断念する」可能性を提示すべきだ。

その可能性を示すこともなく「願望」だけで引っ張っていくのは、選手、指導者、スポーツ界、そして日本国民にとって悲劇以外の何物でもない。


2018・19年髙橋遥人、全登板成績

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