優秀な解説者を新たに発見するのは、なかなか楽しいことだ。



田中賢介は、昨年限りで引退し、北海道日本ハムファイターズのスペシャルアドバイザーに就任している。まあ、あまり仕事はないが日ハムの身内だという感じだろう。その一環としてNHKで解説者をしている。

おとなしくて地味なしゃべりだが、田中がいいのは、「野球観戦を楽しむ」という意識が見えることだ。彼にしても野球は「やるもの」できたから、解説者席から見る野球は新鮮だったのだろう。

「引退直後の解説者は面白い」は私の持論だが、田中の場合もそれがはっきりわかる。

このあいだのDeNA-ヤクルト戦。
大和がきわどい打球を併殺にすると
「正面で打球を取らない技術がよかったですね」
ここで次のプレーが出たので、話は中断したが、NHKのアナは話題をここで終わらせることなく、接ぎ穂をした。この丁寧さは民放にはない。田中は
「正面で打球を取らず、側面でとることですぐに次の態勢に移ることができ、早く送球できるんですね」

三嶋一輝がマウンドに上がると
「彼の速球は2500回転あります。こんな回転をする投手はめったにいません」
アナが「回転数が高いと有利なんですね」
「浮き上がってくるように見えるんですね」

回転数の話は何年も前から放送で流れるが、それが何を意味するかをまともに話すアナも解説者もほとんどいない。そんな中で端的にその意味を話した。勉強しているという感じだ。

宮﨑敏郎がファウルで粘ると
「宮崎選手はファウルを打ちながら調整していくんですね。打率が高いのは調整能力が高いからですね」

他球場の経過で巨人の勝利が伝えられると
「丸選手、坂本選手が本調子でない中、巨人が勝っているのは原監督の采配が大きいですね」

難しいことは言わないが、率直でわかりやすい。こういうスパッとした解説をもっと聞きたいと思った。

栗山英樹監督の去就が話題になりそうだが、そうなれば田中はすぐに現場に戻るだろう。彼の解説を聞くなら今の内だ。

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2007~2019の打者 vs 2020年の打者/10試合終了時打率比較・セ・リーグ

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