新型コロナウイルスは、いろいろと我々の希望的観測を裏切っている。

私などは従来のコロナウイルスと同様、気温が上がり湿度が高まる夏季になれば感染の勢いは減退すると思っていたが、そうはなっていない。

また日本人は、いろんな要因で感染が拡大しないという見方も根強くあったが、昨今の感染者数の拡大は、衰えを見せていない。

ただ重症者、死者数は増え方が少ない。このことから「大げさに騒ぐことはない」という人もいるが、ここまでいろいろな人の予測を裏切り続けているので、楽観視はできないだろう。

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最近目立つのは「新型コロナは何でもない感染症だ。風邪やインフルエンザと同じだ」という意見だ。「それよりも過度な自粛による経済的な被害の方が大きい」という意見と対になっている。
さらにそういう人は「マスコミが必要以上に派手に騒ぎ立てている」と、今の新型コロナ禍がまるでマスメディアのせいであるかのように言うのが常だ。

マスメディアは「取材によって知りえたこと」「書くべきと思ったこと」「知らせるべきこと」を何の規制もなくどんどん発信するためにある。
何かに忖度したり、「世間がいたずらに不安に思うから、あまり書き立てないでおこう」と思うようでは、メディアとしては失格だ。

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今、世間が不安でいっぱいになっているのは、マスコミのせいではなく政府がはっきりした判断をしないからだ。安倍政権は経済界と一般社会の板挟みになって、ロックがかかったようになっている。頭の中は「責任を回避するにはどうすればいいか」しか考えていない。かの産経新聞でさえも「国会を開け」という始末だ。メディアに断言口調で「恐れるべきもの」と「怖がらなくていいもの」を明確に出せば、メディアの論調も変わるし、人々の意識も変わるのだ。

新型コロナが今の時点で「風邪と同じ」と判断するには、あまりにも情報が少ないだろう。
福岡伸一さんは4月ごろ「来年の今頃には、新型コロナは普通のインフルエンザの仲間になるでしょう」といっていたが、最近、その見方を撤回している。
その理由は新型コロナ感染が予測を裏切る展開になっているからだろうが、同時に政府が予想を下回る無能ぶりを露呈したことも大きいのではないだろうか。

新型コロナがいつ「風邪と同じ」になるかは、我々日本人が「どんな政治を持つか」にかかっている。下手をしたら2年先になるのではないか。

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