千葉ロッテでも岩下大輝らが会食していたことが明らかになり、球団が謝罪した。

ロッテは選手の感染が明らかになった時に「誰一人外食に行っていない」と言っていた。
球団は世間の感染状況に応じて「外出禁止」「4人以内、部外者が入らないならOK」などとルールを決めていたが、岩下ら4人は「4人以内」のルールの時に球団に報告したうえで飲食店で会食していたという。
ロッテの感染は岩下が最初の一人だとされる。その外食で感染したかどうかはわからない。

阪神でもそうだが「外食禁止」というルールは、現実的には厳しい。プロ野球はシーズンの半分は遠征している。遠征期間中は試合が終わってから食事をすることになる。食事は深夜になる。今はおそらくホテルに交渉して夜食を出すなど対応をしているのだろう。ルームサービスなのか、レストランで食べるのかわからないが、それだけで60試合もの遠征を乗り切るのは非常に難しい。
選手にとって試合後の食事は、ストレス発散のためにも重要だ。我慢にも限界がある。
また、ホテルで選手が一般客と同じ場所で食事をすることはないだろうが、ホテルでの食事が安全だとする根拠もほとんどない。
おそらく、他球団でも同様のルールを設けているだろうが、厳格に守られているとは考えられない。
球団にくっついて動いている記者などメディアも、全員が外食を自粛しているわけではないだろう。おそらくは深夜の街に繰り出している。新聞社や放送局でも感染者が出ているが、感染症対策はプロ野球よりも厳格ではないだろう。

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「外食禁止」というルールは、実質的に守ることができないうえに、感染者が出れば「犯人探し」の材料にされる。ほとんど意味がないルールだ。

今、都市の繁華街は賑わいを取り戻している。居酒屋などでマスクを着けずに大声でしゃべっている客も見かける。陽性者がなかなか減らないのは「夜の街」が復活していることと関連性がある。
しかしそんな中でも感染しない人もいるのだ。

確かに繁華街に繰り出さなければ感染リスクは下がるが、選手に「外食禁止」させることが実質的に無理だとすれば、その中でもっときめ細かな「行動変容」を促すべきだろう。
「過度の飲酒」をやめるとか、人との距離をとるとか、真正面での会話をやめるとか、部外者との会食を避けるとか、ホテルに帰ってから手洗い、入浴をするとか、やれることはたくさんある。

大事なことはそれらを「球団から言われたからやる」ではなく「選手が自主的にやる」ことだろう。
感染症に対して、自らが学び、自分で防衛することだろう。

そして球団は「これからも感染者が出る」ことを前提として、感染者の早期復帰へむけた対応など「その後」へ向けた準備をすべきだ。
「誰が悪い」「誰の責任」という不毛な対応では、新型コロナ禍を乗り切ることはできない。


中日・ナゴヤ球場・ナゴヤドーム・シーズン最多本塁打打者/1950~1988、2007~2019

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