この新型コロナ禍がいつ終息するかは誰にもわからない。ただ「ワクチンができる→もう大丈夫」というような一気にクリアするモデルは望み薄だろう。
現在の日本は、陽性者数は激増してはいないが減ってもいない。東京では毎日100~200人が感染し、大阪でも50人以上、全国では500人以上が感染している。
しかし、これはPCR検査が増えているから、という側面もある。その割に重症者、死者数が増えていないことが傍証となっている。

プロ野球は50%まで入場者数の規制を緩和した。ただし声を出しての応援などは禁止されている。DeNAは80%まで規制を緩和する実験を行っている。
もしこのまま陽性者数が横ばいで推移すれば、来季は80%まで入場OKという形でスタートするのではないか。ヨーロッパのように第3波が到来すれば、再び規制強化の可能性があるが、それでも野球興行中止とはならないだろう。

ただ、こうした興行形態ではプロ野球は利益は出ないだろう。人数が減るうえに物販なども売り上げが大幅に減少する。結果として多くの球団が赤字に転落するだろう。
そうなれば親会社の補填に頼るのだろうが、かつてない赤字の大きさだけに、補填できないケースも出るのではないか。DeNAは、傘下の陸上クラブを廃止した。DeNAグループにとってスポーツ事業は最も有望な事業だったが、見直しがかかるはずだ。

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親会社の規模が小さいヤクルトや、業績が良いとは言えない中日、ロッテなどの球団は、身売りを考える可能性もある。実質的に親会社がない日本ハム(日本ハムは定額の支援をしているのみ)、独立採算の広島などもこの状況が長期化すれば、経営が立ちいかなくなる。

今年のドラフトでは本指名選手数が5人前後に減って、育成枠での獲得が増えるといわれている。そうした状況も見極める必要があるが、早ければ今オフにも経営が厳しくなる球団が出てくるかもしれない。

一方で阪神が女子野球チームを持つことになった。すでに西武が女子野球チームを持っているが、これは女子プロ野球リーグの実質的な破綻を受けて、プロ野球が女子野球という分野に進出したということだ。
女子野球は男子のプロ野球の数十分の1の予算で運営できる。NPB球団のブランド力を活かせば、人気が高まる可能性もある。昔のプロ野球のように「前座試合」で人気を集めるなどいろいろなことができる。

これはかなり優秀なマーケティング発想だと思うが、こういうこれまでと異なるアプローチもでてくるのではないか。

私はずっと前からNPBが独立リーグを傘下に入れるべきだと言ってきたが、「ファームシステムを安上がりにする」とともに「地域でのプロ野球人気を拡大する」ためにも、これは有効だと思う。

下手をすれば「1リーグ、球団数縮小」みたいな愚かな方向に転がる可能性もあるが、エクスパンションも含めて、この危機だからこそ思い切った手を打ってほしいと思う。


夢の打点王レース/中田翔・浅村栄斗vs11人の打点稼ぎ人

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