Jリーグ各クラブの経営方針は明確で、透明ではある。しかし56もあるチームの中には経営基盤がぜい弱なチームも多い。
NPBは、独立採算の広島を除き、親会社がある。一定額の支援以外はしない日本ハムは、実質的に親会社というよりメインスポンサーだ。またDeNAはプロ野球をスポーツ事業の中核と位置付けている。さらに巨人は、興行やマネジメントは讀賣新聞社が行っており、球団は「経営」をしていない。
その形態はいろいろだが、多くの球団はいざとなれば親会社の支援を期待できる。

しかしJリーグでは親会社があってもその支援は限定的であり、実質的に独立採算のクラブも多い。10月13日にJリーグはJ1からJ3までの56のクラブの今年度決算の見通しを発表したが、およそ8割が赤字となり4割は債務超過になるという。

債務超過とは簡単に言えば手持ちの預金や資産をすべて売却しても、債務が返済できない状態をいう。もちろん、債務の返済を猶予してもらったり、緊急の融資をしてもらうなどで、倒産をまぬかれるケースも多い。それにしても、4割のクラブチームが倒産の危機に瀕しているのは深刻だ。
J2,J3のチームが中心だろうが、ここまで地域のサッカー普及のために尽力してきた苦労が水泡に帰す恐れがある。

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NPBにも経営危機は間違いなくやってくると思うが、Jリーグは一足早く、さらに深刻だ。

Jリーグでこのところ不祥事が続出していることと、経営危機は無縁ではないだろう。
ガンバ大阪のアデミウソン、新潟FWファビオ、ペドロ・マンジーの酒気帯び運転、ベガルタ仙台のMF道渕諒平のDV。
個々の事件に関連性はないだろうが、こうした事件は、経営不安によってチームのマネジメントが弛緩し、チームの空気が悪くなり、選手に目が行き届かなくなっていることが一因ではないかと思う。

私は倒産した会社に勤めていたことがあるが、経営がひっ迫すると経営者が顔を出さなくなるし、社内の規範がどんどん守られなくなる。モラルハザードが起こりやすくなるのだ。

Jリーグのここまでの取り組みは、旧弊で、権威主義的だった日本のスポーツ界に新風を吹き込むものだった。
この危機を何とかして乗り越えて、再び「100年構想」のために前進してほしいと思う。


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