福岡はもともと中国、韓国からのインバウンドへの依存度が高い。それだけに新型コロナ禍は骨身にしみているようで、街の活気が減退している印象だ。
それでも今朝は、地下街に「げーんかいなだのー、しおかーぜにー」とホークスの球団歌が景気よく流れている。民放からNHKまで、ローカルニュースのトップはみんなこれだ。
私は「ホークスは完全に九州のものになったんだなあ」と改めて思った。

球場では、観客は声を上げることはできないが、球場側がコンバットマーチを流している。その中に結構聞きなれた曲が残っているのだ。大阪球場時代から使っている曲が、今も使われているのだ。

隣の席のおばさんなど、曲に合わせて嬉しそうに体を動かしているが「これって、もともと南海ホークスの歌なんですぜ」と言いたいような衝動に駆られる。
大阪球場から南海が去った32年前にホークスファンをやめた私は、元住んでいた家に赤の他人が生活しているのを見るような複雑な気持で、福岡ソフトバンクホークスを眺めているのだ。

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優勝が決まって、選手がグラウンドに駆け出してきたが、その中に背番号「4」の姿もあった。バレンティンだ。この助っ人は今季さっぱりで、かろうじて日本シリーズの40人枠には入ったが、出番は一切なかった。
目の前で工藤監督が、捕手の甲斐の帽子を取って頭をなでなでしているのを眺めている。横に、今シリーズで満塁本塁打を打ったデスパイネと大活躍のモイネロがいる。

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勝負の世界とは言え、これは本当に非情だ。バレンティンは移籍したことを後悔したかもしれない。
工藤監督は、内川聖一を1年間干すなど、自分の方針を貫くために、シビアな決断をいくつもしてきた。それができるから、勝ち切れるのだろう。

3戦目で、7回ノーヒットのムーアをあっさり下したのも、劣勢が明らかな巨人打線に、モイネロなど強力なセットアッパー陣を容赦なく投入したのも、工藤監督ならではの迷いのない采配だった。

今年はフェニックスリーグは無観客だし、台湾のウインターリーグも中止になった。もう野球を見ることができないと思うと寂しい。
来年はどうなるのかは全くわからないが、野球を見続けていこうと思う。


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