3日ほど前に72歳の老人が角材で柴犬を殴る動画が話題を呼んだ。

画像を見ると、72歳の男は鳴く柴犬を持ち上げて、フェンスに投げつけあと、鎖を手繰り寄せて怯えている犬を角材で叩いていた。

この犬は保護されて、飼い主は承諾書を書かされたようだが、単純に言って動物愛護法違反だろう。

愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者
→5年以下の懲役または500万円以下の罰金
愛護動物に対し、みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金

飼い主は11年も虐待を続けていたようだが、メディアのインタビューで
「虐待じゃなくて、犬がやっぱりほえるからね。となり近所に迷惑かけるから、懲らしめるためっていうかね...」

犬が吠えるのは犬そのものに問題があるケースと、飼い主に問題があるケースがある。
犬は発情したり、侵入者や外敵の気配を感じれば吠える。また生活環境に問題があったり、ストレスを感じれば吠える。私も長年の犬飼いだが、犬の吠え声の抑制は、畜犬の大きな課題ではある。

しかしこの柴犬のように永年虐待されていると、常にパニック状態になってしまうのではないか。

FNNの取材では飼い主はこのように言っている

「(ちょっとやり過ぎたと思う?)そりゃあ人から見ればね、そういう方もいるでしょうよ。やり過ぎたことは確かにやり過ぎたかもしれないけど、わたしはそうは思わない。わたしは古い人間だから、そういう鍛えられながらね、運動系で鍛えられながら、ここまで来たんでね。やっぱり鍛えるっていうか、悪いことしたら、そういう(お仕置き)...」

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この人物の暴力体質は、日本スポーツによって培われてきたのだ。

そもそも日本スポーツの暴力体質は、戦後、部活動の指導者に軍隊上がりが就くようになってからひどくなったと言われる。戦後教育は、民主主義、人権を重視することが基本となったが、部活には戦前の「生命軽視」の思想が脈々と息づいている。どつかれ恫喝されながらスポーツをする「文化」が受け継がれてきたのだ。

そうした指導を受けても、それを否定して違う考え方を持つに至る人もたくさんいるが、そうでない人もいる。
72歳の柴犬の飼い主は運動系で殴られ、罵声を浴びた経験を肯定的に考えているのだろう。

殴られ、蹴られた柴犬がどれくらい鍛えられたのかはよくわからないが、日本にはまだこういう価値観の人間がたくさんいるということだ。反対に言うと、それを否定しきれないのが今の日本なのだ。

こういう人間に「鍛えられた」柴犬も人間も不幸としか思えない。


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