悪趣味なタイトルであり、中身もそのまんまではあるが、野球史を知るためには重要な本だ。

NPBに在籍した選手で、何らかの刑事事件の容疑がかかって逮捕、起訴、書類制憲された選手とその事件を網羅している。不起訴処分や処分保留、起訴取り下げ等の事件も取り上げている。

「プロ野球選手の犯罪を網羅した本なんて忌まわしい」と思うかもしれないが、プロ野球選手の事績を紹介した本でも、ブラックな経歴は触れていなかったり、軽く触れる程度の本が多い。しかし犯罪はその選手の個性を語るうえで不可欠な要素だ。それを紹介するかどうかは別にして、事実関係を抑えることは重要だ。

また犯罪の中には「その選手の個性、人格」に起因するものと「野球、プロ野球の体質」が影響しているのではないかと思われるものがある。野球という競技の特性を知る上でも重要だと思う。

私が強烈に記憶しているのは、1988年には表彰記録ではなかったものの最多奪三振を記録し、ロッテの先発として活躍した小川博だ。引退後の2002年に勤務先の女性社員を殺害して金を奪った強盗殺人で逮捕された。引退後にコーチを務めたものの借金で首が回らなくなり破産、なおも放蕩を続けた挙句の犯行だった。無期懲役の判決を受けて2006年から服役している。今、58歳だが、彼が出所する可能性はそれほど多くない。この事件を機にセカンドキャリアの問題がクローズアップされた。

巻末にはプロ野球脱税事件と黒い霧事件が詳細にまとめられている。

日本野球を競技ではなく、文化、社会学的側面でとらえる上で、この本は重要だ。

出版社ではなくコミケットなどのために編集された同人誌をベースとし、オンデマンド印刷されたものだ。こういう出版もできるようになったのだ。

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2018~20年山﨑福也、全登板成績

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