今季のMLBはまだ始まったばかりだが、各球団の主催試合の観客動員を見て行こう。

1試合当たりの動員人数順

MLB-Att


アメリカの場合、観客動員の制限は、各州の決め事に拠っている。最も厳しいマサチューセッツ州は10%強、コロラド州は半分弱、そしてテキサス州は観客動員の上限を撤廃している。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は共和党。新型コロナウイルスの抑制によって経済活動が危機に瀕しているとして、4月2日に声明を出した。

「明日から全ての郡でマスク着用義務が解除され、州からいかなるルールも課されずに商業活動が全面的に再開できるようになる」

10日から商業活動の全面再開も許可している。レンジャーズはこれを受けて、上限なしに観客を受け入れることとした。レンジャーズの本拠地グローブライフ・フィールドのキャパは40,300人。昨日のレンジャーズの主催試合にはキャパの95%弱の38,238人が詰めかけた。

アボット知事はトランプ前大統領に近いとされ、トランプの「コロナから解放しろ」という言葉に乗った形だ。

日本と違うのは、アボット知事は観客をフルで受け入れても感染が拡大しないとは言っていないことだ。「新型ウイルスは突然消えるわけではない」、「州政府の命令はもはや必要ではない」と言っている。少々感染者が増えても、経済を再開すべきだと訴えているのだ。
テキサス州は全米で最も多い1日7000人の陽性者を出しているが、あえてこういう決断をしているのだ。
当然、バイデン大統領は「マスクをつけるように。今は警戒を緩めるときではない」と述べ、警告を発している。
要するに新型コロナは「政争の具」になっているのだ。

MLBの選手の多くは、反トランプの立場で、新型コロナへの警戒心が強いが、表明はしないもののMLB球団の経営者たちは、親トランプの人が多いと言われる。
レンジャーズのオーナーであるボブ・R・シンプソンとレイ・デービスはエネルギー産業の出身であり、トランプ政権の恩恵を受けていたのではないかと思われる。

注目されるのは、同じテキサス州にあるヒューストン・アストロズの動向だ。現地8日にアスレチックスを迎えて今季初のホームゲームを開催するが、動員をどのくらいにするか。これによって、他球団にも影響が及ぶだろう。

アボット知事はレンジャーズ戦の後、観客にクラスターが発生したり、感染拡大しても「織り込み済み」かもしれないが、MLBとしてはこれを看過することはできない。MLBが感染症対策に無理解、非協力的だと思われるのは、何としても避けたいところだ。

アメリカではワクチン接種が1日300万人以上のハイペースで進んでいる。テキサスでの感染拡大と集団免疫の獲得のどちらが早いか、みたいな話なのかもしれない。

レンジャーズの「政治的決断」は、今季のMLBのペナントレースに大きな影響を与えるだろう。


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