この春の日本スポーツ界を沸かせている2人の20代のアスリートだ

今年7月5日に27歳になる大谷翔平の活躍は、このブログでも何度も紹介しているが、華々しい限りだ。「二刀流=2Way」という近代野球では考えられなかった新しいスタイルを、大きなスケールで実現しようとしている。怪我が心配ではあるが、ま、手放しで喜ぶことができる活躍だ。

大谷より1日早く7月4日に21歳になる池江璃花子は、高校時代から群を抜くスピードを誇るスイマーとして注目され、早くから東京オリンピックのエースと目されていた。しかし2019年2月に白血病と診断され、長い療養生活に入った。約1年半の闘病を経て昨年夏にプールに復帰。この時点では東京五輪には間に合わないと見られ、次のパリ五輪に向けて調整するといわれていた。
しかしそこからの回復は驚異的で、今年4月の東京五輪選考会に出場したどころか、400mメドレーリレーで東京五輪の切符を手にするとともに、100m自由形でも出場の権利を獲得すると見られている。

この話も大谷翔平の話とともに「快挙」「大活躍」とみなされているが、同時に釈然としない部分もはらんでいる。

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池江は闘病中から東京オリンピックのCMやイメージビジュアルに出演していた。昨年7月、東京オリンピック1年前の次点では国立競技場から池江璃花子「1年後、希望の炎が輝いて」オリンピックメッセージのイメージ画像に出演していた。
この時点では、新型コロナ禍が、1年後も猖獗を極めているとは予想されていなかったから、まさしく「希望のメッセージ」ではあったが、池江は闘病中であり、まだ選手として東京五輪に出場できる保証は全くなかった。
その時点で、池江を「東京五輪のイメージキャラクター」に起用したのは、池江が美しい女性でカリスマ性もあったからではあろう。しかし五輪組織委が、池江を前面に押し立てることで、様々な異論を退けようという思惑があったことも感じさせる。

その流れを考えるならば、池江のいささか早すぎる「復活劇」は、何が何でも東京五輪を開催したい大人たちが、池江をあたかもジャンヌダルクのように「感動のアイコン」に仕立て上げようとしているのではないか、とも感じられるのだ。

これも一連の「電通演出」の一環ではあろうが、主催者側は「東京五輪が中止になったら、病気を克服してあんなに頑張ってきた池江璃花子さんがどんなに悲しむでしょう。中止なんてできるはずないですよね」という無言のメッセージを発しているかのように思う。

確かに東京五輪を目指して頑張ってきたアスリートにとって、五輪がなくなることは大悲劇ではあろうが、ウイルスが蔓延している中で、多くの国民が歓迎しない東京五輪に参加しても、喜びはそれほどないのではないか。

病み上がりの20歳の女性に、自分たちの思惑を籠める大人たちの狡猾さ、卑怯さ。
大谷翔平の活躍を雲一つない晴天に喩えるならば、池江璃花子の復活劇は、重苦しい曇天のように思えてしまう。
アスリートの政治利用は、今更はじまったことではないが、池江の件は他のケースにもまして痛々しいと思う。



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