京都新聞
女子プロ野球、今季公式戦実施せず 選手の脱退相次ぎ数人に
結局、首領様の玩具にした挙句、放り出したということだ。
女子プロ野球は「わかさ生活」が母体になって2010年に創設された。
最初は2球団だったが、4球団まで増えて、関西中心だったのが関東でも試合をするようになる。
しかしそれは計画的だったわけではなく、リーグのオーナーである「わかさ生活」トップの角谷建耀知代表の思い付きで、本拠地が変えられたのだ。

また女子プロ野球は試合前に選手が踊ったりもした。ある時期は名字ではなく、恵梨香とか茉莉とか、下の名前だけが表示されたことがあった。これらもすべて角谷建耀知代表の思い付きだ。

4球団の構成も、選手の身分も、角谷の一存で変わった。創設してしばらくたつと熱心なファンもついてきたが、彼らの意向が反映されることは一切なかった。
長谷川晶一さんのように創設期から取材しているジャーナリストもいたが、恣意的な運営が続く上に選手の身分も不安定で、理不尽なことが起こるために次第に離れていった。

女子野球振興策として「花鈴のマウンド」というコミックが発刊されたが、原作者は角谷建耀知代表である。何から何まで自分一人でやらないと気が済まなかったのだろう。

それでも日本で唯一の女子プロ野球であり、トップリーグとしての意味はあった。

しかし年商160億前後の中小企業であるわかさ生活が、プロ野球リーグを運営するのはそもそも無理があった。毎年利益をほとんど吐き出すような道楽が続くはずはない。

そこで他企業の参入を求めることになった。一時期は栃木ゴールデンブレーブスを運営するエイジェックなどがこれに応じたが、角谷代表は出資企業に、球団の経営権をまかせる気は全くなかったために、話がとん挫した。

わかさ生活の業績も苦しく、女子プロ野球はこれまで功績のあったスター選手をどんどん放出して縮小を続け、昨年はついに選手数が4球団で43人となった。そして新型コロナ禍で無観客で試合が行われた。

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リーグはスポンサーを求めたが、当然の話ながら応じる企業はなかった。そして今季は選手が数人になって試合をすることができなくなった。


角谷代表が新規企業の参入を認めることができなかったのは、他の企業が入れば、創業以来の独裁的な経営ができなくなるからだ。
ベンチャー企業の社長の中には、他企業と比較されたり、他企業の社長から批判されることを恐れて業界や他の企業との交流ができない人が多い。要するに「お山の大将」なのだ。

角谷建耀知代表は、昨年「女子プロ野球クライシスー創設者10年の告白」を刊行した。他者意見が耳に入らない独裁経営者の被害妄想で書かれた、かなりきつい本である。

女子プロ野球を創設した功績はあるにしても、すでに功罪でいえば罪の方が大きくなっていると言える。

阪神や西武などNPB球団の中にも女子チームを結成するところが出てきた。エイジェックなども含めて女子プロ野球リーグを創設すべきだと思う。
それを促す意味でも、現女子プロ野球リーグは悪あがきせずに、さっさと潰れてほしいと思う。


1971~73年梶本隆夫、全登板成績

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