MLBから凱旋復帰した田中将大だが、各打者は「攻略できないわけではないな」と思い始めているのではないか。

公式戦の田中の戦績

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4試合で2勝2敗、防御率3.00は別に悪い成績ではない。しかし開幕36試合目で投球回数はわずか24イニング。規定投球回数には届いていない。また、ERA3.00は、9位相当、平凡な成績だ。

P/IPは14.47。今も極めて効率の良い投球をしている。この点は若手の手本にはなるだろう。

2勝2敗なのは、援護点(RS)が7と失点よりも少なく、味方の援護が少ないことも大きいが、現時点で田中は圧倒的な投球を見せていない。

2013年までの田中も、今と同じように制球力が良く、効率の良い投球をしていたが、いざというときには150㎞/h超の切れのある速球で勝負ができた。いわゆる「ギアチェンジ」だった。しかし今の田中にはそれがない。

4月17日の初登板、田中は2死から中田翔に高めの速球を左中間にホームランされた。続く淺間にも右翼線に二塁打された。以前の田中であれば、打ち取れたはずの速球が通用しない。「ギアチェンジ」はもう無い。そういう印象が強い。

MLBでも田中が「ギアチェンジ」で勝負していたのは2014年くらいまでだ。以後は制球力と多彩な変化球で勝負をする技巧派になった。少し前の黒田博樹と同じだ。

日本に帰ってきて、田中は日本の打者なら「ギアチェンジ」が通用するかと考えたが、結局通用しなかったことがわかったのではないか。

被打率上位の打者

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MLBの打者は、速球や2シームを打つのは得意だが、変化球はやや苦手だ。しかし日本の打者は変化球に対応できる打者が多い。
田中が意外に苦戦しているのは、こうした事情があるのではないか。

田中将大は2年でMLBに戻りたいと考えていると思われる。しかしそのためには、圧倒的なパフォーマンスを見せてMLB側にアピールする必要がある。

「案外大したことない」と思われている現状は、田中にとっては少々まずいのではないか。


1971~73年梶本隆夫、全登板成績

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