川淵三郎五輪選手村村長は1か月ほど前に
「返上すれば、日本人は意気地がない、世界的なイベントを成功させる気概がないのかと、世界から蔑視(べっし)される可能性があることを誰一人語っていない。日本は臆病風に吹かれて、国を挙げた努力もしなかったという汚名が何十年、百年以上残る。子孫のプライドをおとしめるようなことを今の人たちがやっていいのか」
と言った。
「そんなはずあるかよ」と多くの人が突っ込んだと思う。
世界の人々が注目しているのは「パンデミックのさなかに、無観客でオリンピックをやってしまう日本」という国の不思議さ、おかしさであって、その注目は「興味本位」だ。成功しても失敗しても(そもそもその評価も微妙だが)、それで国の評価が大きく変わることはない。

なぜか東アジアの国は「世界中が我が国に注目している」と思いがちだ。その最たる国が韓国で「世界十大大国の一員になった」とか「G7の準会員になった」とかいう国内だけで通用する報道をさかんにしている。日本はそれに次いで「自意識過剰」な国だ。「世間からどう思われるか」をひどく気にしている。「外国人が見た日本の良さ」を自分たちで取り上げる気持ち悪い番組を延々と作っている。

大谷翔平の活躍は、確かにMLBの歴史に残るものすごいものだが、全米の人々が大谷の話題でもちきりかと言えばそういうわけではない。オールスターゲームの視聴率は史上最低を記録したし、そもそもMLBの話題は全米では大した扱いではない。大谷翔平の名前を知らない人だっているはずだ。
しかし日本のテレビでは「全米を熱狂させている」となる。

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東京オリンピックも、確かに世界的な話題ではあろうが、世界中が東京五輪の成功を願っているわけではない。「失敗するんじゃないか」とも思いつつ、対岸の火事として見ているだけだ。
今、世界中が本当に気にしているのは「中国」の動向だ。戦前のナチス同様、全体主義を掲げて世界中で様々な侵略行為を続けている。また香港という国際都市を圧力でつぶしてしまった。
世界の注目は「東京五輪」ではなく「北京五輪」に向いている。東京五輪がこのボロボロな状態でまがりなりにも「成功」してしまえば、中国はこれを「前例」として冬季五輪を強行するだろう。その時にパンデミックが終息している可能性はほとんどないが、先進国は今よりましな状況にはなっている。しかし政治的に対立する西側諸国は、中国の国威発揚イベントである北京五輪に協力したくない。そういう葛藤をもっているはずだ。

世界の人々は、「成功とは程遠い形で強行される」東京五輪は、日本という「衰え行く先進国」の「悪あがき」ととらえているのだと思うが、そもそもそれほど興味はないだろう。

「日本はこんなに立派にやり遂げました」と胸を張っても世界の人の多くは「あ、そう、で何をしたの?」と返答するはずだ。


大島康徳、チーム別&球場別&選手別アベックHR数|本塁打大全

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