報知
女子プロ野球リーグが事実上消滅したことが分かった。21日までに岩谷美里(30)、西山小春(23)、柳理菜(24)が自身のSNSで退団を発表。これで所属選手が0となり、創設から12年目でその役割を一度終えることとなった。
今年になっても3人が在籍していたということだ。彼女たちは会社の仕事をしながら、週に3,4日練習を続けていたという。

わかさ生活は、女子プロ野球を独力で立ち上げ、11年も運営した。この功績は比類ないが、女子プロ野球がメジャーになったときに、そのど真ん中にいたいという「創業者利益」に固執したために、参入者を拒み、その挙句にひっくり返った。

端的に言えば、人材不足だっただろう。角谷建耀知という独裁的、独善的なトップが、運営者をたびたび更迭したから、有能なマネージャーがいつかなかった。

そしてエイジェックなどから提携のオファーがあっても、すべて退けた。エイジェックは女子プロ野球リーグが傾いたときに、真剣に提携、資本参加を考えていた。話し合いがもたれたが、角谷建耀知が権限を一切譲る気がないことが分かって断念したのだ。ただ女子プロを対談した有力選手を受け入れた。

どんどん人がいなくなって、角谷建耀知の顔色をうかがう人だけが残って、リーグやチーム運営も朝令暮改となり、社会の信用も失った。
わかさ生活は、DHCやアパホテルなどと同様、経営者の独裁企業だ。日本では、こうした企業が社会性を失い、北朝鮮のようになるのはよく見られることだ。

中小企業の経営者によくある「唯我独尊」の挙句に、社会の公共財であるはずの女子プロ野球を私物化してつぶしてしまった。

女子野球関係者も「あそこは特殊だから」「よくわからない」と距離を置いていた。選手同士の交流はあるが、指導者は最近の女子プロ野球について「行けとは言えない」というようになっていた。

NPB関係者は女子プロ野球との連携は考えていなかった。もともと保守的で自己防衛の意識が強い組織だが、独裁的でエキセントリックな経営者と話す気はなかっただろう。そもそも、わかさ生活は中小企業であり、NPBと提携するにはあまりにも小さすぎた。

女子プロ野球がつぶれたことは前向きにとらえるべきだろうが、ここまで悪あがきをしたために「女子プロ野球は経営が成り立たない」という悪しき風評が立ったのは残念なことだった。

NPBや有力な企業が母体となって、女子プロ野球が再生されることを期待したい。
選手はいなくなったが女子プロ野球は組織としては存続している。その名称なども含め、権利を主張するだろうが、さっさと消えてほしいと思う。

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大島康徳、チーム別&球場別&選手別アベックHR数|本塁打大全

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