「そろそろ新規陽性者数に一喜一憂するのではなく、イギリスやアメリカみたいに“脱コロナ”“コロナの風邪化”に踏み切るべきではないか」と言う意見が出てき始めているが、欧米とは大きく異なる日本の現実を理解していない愚かで危険な考え方だと思う。
現在のワクチン接種状況と、新規陽性者について模式図を作った。
まずは日本

左のオレンジはワクチン接種済みの人々。高齢者が中心、新型コロナ感染のリスクは少なくなっている。

真ん中のベージュは、ワクチン接種を希望しながらもまだ接種できていない層。50代以下の働き盛りや若者など。
新形コロナ感染のリスクは高い。マスクや手洗いなどで防衛している状態。

そして右端はワクチン接種を拒否する層。希望しながら接種できていない層とほぼ同じ状況。無防備と言える。ただ拒否層はマスクなどもあまり装着しないので、感染のリスクはやや高いかもしれない。

0727-Japan


これに対しイギリスなどはこうだ。

ワクチン接種希望者の大部分は接種を完了し、リスクは軽減されている。今の感染拡大は、残された希望しながらもまだ接種できていない層と、元々接種する気がない層に広がっている。感染の勢いは猛烈だが、それでも大部分の国民は感染のリスクが小さくなっている。

0727-UK


イギリスはこの状況にかんがみ、リスクが小さくなっている大多数の接種完了層の生活を元に戻すために、マスクなど感染症対策を撤廃した。接種していない層のリスクは確かに高まるが、感染したくなければワクチン接種はいつでもできる。
接種を強制しない前提でいえば「感染しそうだからワクチンを打とう」という方向に人々を動かそうとしているのだ。

日本で同じようにマスクや飲食、イベントなどの制限を撤廃すれば、まだワクチンを打っていない過半数の人々が無防備なままウイルスにさらされることになる。

専門家は現時点でウイルスの弱毒化は確認できていないとしている。そうなれば、重症化のリスクが低いとされる若年層でも、新規陽性者のパイが増えれば、重症化、中等症化のリスクは高まる。

イギリスと同じように「感染対策やーめた」と言えば、日本中が大きなリスクにさらされる。

オリンピックは結果的に「緊急事態宣言」を有名無実化し、「感染対策やーめた」に近い状況を作りつつある。このままいけば、いくら人口比の陽性者数が少ないと言っても、日本のパンデミックは終わりが見えない状態になる。

ワクチン接種をさらに強力に推し進めるとともに、五輪による人流の抑制を強力に進めるべきだ。私は昨日、2000人超え確実と言ったが、予想が甘かった。明日は3000人を通り越して4000人に迫ると思われる。
こんなときに東京オリンピックなどやっているときではない。


大島康徳、チーム別&球場別&選手別アベックHR数|本塁打大全

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!