地上波テレビでもBSでも放送はなかったが、高校野球のサイトで中継されたので見ていた。
twitterで小西美加さんが「私は胸がギューっとなりっぱなしでした。」と言っていたけど、私もしみじみした思いで試合を見ていた。

昔の女子野球は投手の球速も遅かったし、捕手の二塁送球はワンバウンドになることが多かった。野手のフィールディングも見劣りがした。
女子プロ野球を見ていたら、隣で「何だ、こんなものか」と言う人がいたりもしたものだ。

しかし甲子園での神戸弘陵-高知中央では、投手は120㎞/h近い球を投げていた。これは男子の公立校の投手と大差がない。捕手も素晴らしい送球を投げていたし、打撃も力強かった。堂々としたプレーは実に立派だった。
女子野球は男子と異なり、競技人口が増え続けている。レベルが上がっていることを実感した。

それも喜ばしいが、それに加え、男子とは異なる「女子野球の文化」が見えたことも良かったと思う。学年の違いを乗り越えて、チームは一つ。みんなで頑張ろうと言う意志が伝わってくる。
そして女子野球は「怖くない」のだ。どんなプレーでもみんな明るくて、元気なのだ。
最近は男子の高校野球でも、笑顔でプレーする選手が増えているが、中には無理やり笑っているような印象のものもある。
しかし女子野球は、先輩後輩の上下関係よりも、「野球をする仲間」という連帯感が強い。女子野球の練習では、ブルペンで先輩の投球フォームに後輩が「ここがおかしい」とアドバイスすることもあるのだ。

DSCF1149


歴史的な試合は神戸弘陵が4-0で高知中央を下した。本当であれば、埼玉栄とか履正社とか京都両洋とか福知山成美とか昔から女子野球で頑張ってきたチームに出場してほしかった。高知中央は総部わずか3年目だ。「女子野球は部員が集まるし、注目が高い」とどんどん新規参入が増えている。だいたい新しい学校は、男子高校野球から指導者を連れてくる。パワハラセクハラの問題も起き始めている。
問題は山積ではある。

そもそも女子高校野球は、日本高野連に所属していないし、高体連にも入っていない。組織はぜい弱だ。感染症対策がしっかりしていたかも危うい感じがする。

甲子園を神聖化するのはそろそろやめるべきだが、女子高校野球が男子に並ぶ上で象徴的な意味があるのなら、それは良かったと思う。なんにせよ、ここからだ。

IMG_8527



1971年足立光宏、全登板成績【復活・4年ぶりの2ケタ勝利】

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!