昨日も言った通り、私の「選手を見る目」は素人である。ブルペンで投球を見ても、ゲージで打撃練習を見ても「速い球」「よく曲がる変化球」「すごいライナー」などはわかるが、それがNPBの一軍で通用するレベルなのか、そうでないのかはわからない。
ただ「美しい投球フォーム」「力感あふれる」「躍動感ある」とか、「下半身を使った打撃」とかいうのはけっこうたくさん野球を見ているからわかる。
しかし、そういう選手のパフォーマンスが、NPBで通用するのかどうかはこれまたわからない。

実際に野球をしていないから「レベル」がわからないのだ。極端にダメなケースはわかる。10年近く前、CPBL(台湾プロ野球)を見ていて、内野手がぎりぎりの球を追いかけるが捕球できることはほとんどなかったし、捕手の二塁送球は何度も逸れた。

15年ほど前の独立リーグでも捕手の送球はよくワンバウンドしたし、投手の球速はせいぜい140㎞/hだった。本塁打もほとんどなかった。

そうしたリーグ、野球は明らかに見劣りした。毎年、CPBLのLamigo(昨年から楽天)モンキーズは、石垣島でロッテと試合をしたが、台湾の投手は明らかに見劣りして、ロッテの一軍半選手に打ちまくられていた。

IMG_3531


そういうレベルの違いは、わかる。ま、だれでもわかるのであって、それとは違う次元、例えば、高校野球の逸材が、即、プロで通用するのか、とか、独立リーグの投手がNPBで通用するのか、などはなかなかわからない。
ただ、プロのスカウトでもそれ程の確信は持っていないようで、だからドラフトで入った選手がたびたび見立て違いになる。それほど難しいのだと思う。スカウトや記者の中には「ハートがプロ向き」「この選手は伸びるタイプ」などということもあるが、それとても微妙なところだろう。

ただそういう評価が難しい選手がいる一方で、誰が見てもすごい逸材というのもいる。今年のドラフトでいえば高知高校の森木大智がそうだ。私は高知の野球界に知り合いが多いが、森木の名前は小学校高学年から話題になっていた。中学から高知学園に入ったが、ここは軟式野球しかない。しかしあえて軟式野球を選択した。そして高校は、明徳義塾や他の学校から誘いがあったが、そのまま高知高校に進んだ。
甲子園に行くことを考えれば、明徳にいくべきで、事実、高知高校は明徳に負けて森木がいる間、甲子園には行けなかった。
しかし森木の周辺にいる指導者は、この選手を「この時点で完成形」にする気は毛頭なかった。森木が入学した当時の島田達二監督は、勝利至上主義を否定し、森木だけでなく選手の将来性を第一に考えていたのだ。
その結果として、森木は甲子園には出なかったが、ドラフト屈指の逸材になった。何より中学時代は硬式球にふれることなく、高校でも甲子園で肩肘を酷使することなくドラフト年限になった。「伸びしろ」があることは、私のような素人でもわかる。

実は、独立リーグ最大の注目株である火の国サラマンダーズの石森大誠も大学2年まで野手との掛け持ちで、肩を酷使していない。155㎞/hの球速が出るようになったのは、今年になってからなのだ。

IMG_7020


私は、そういう選手の「キャリア」で判断したいと思う。高校や大学で「実績十分」「大活躍」した投手は、それだけでリスクがあるのではないかと思う。

森木を高知高校に進ませた島田監督は、昨年、高校をやめて東京ベルディバンバータに入った。高校野球の世界にいては、自分が理想とするスポーツ指導ができない、と思ったからだ。これは高校野球界に衝撃を与えた。このことは記事にしたが、2日前に福島県で久々にお目にかかった。島田さんは東京ベルディ傘下のさまざまなスポーツアカデミーの統括をしている。
この日はボーイズの選手たちの試合を見たが、中学生たち一人一人に声をかけて、実に細やかな気配りを見せていた。

「選手を見る目」についてもう一つ付け加えるとすれば、その選手の指導者が「目先の勝利に拘泥していないか」「選手の将来を本気で考えているか」が、重要な判断基準になるのではないかと思う。


省エネ投球でイニングを稼ぐ/2002~2021・9回100球未満投球者一覧

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!