NHK
今シーズンかぎりでの現役引退を表明したプロ野球・西武の松坂大輔投手が、今月19日の公式戦で、かつてつけていた背番号「18」のユニフォーム姿で先発のマウンドに上がることになりました。
これは13日、西武の辻発彦監督がオンラインの取材で明らかにしました。
松坂大輔は現在アメリカにいて、退団後もアメリカに滞在し、ファンに別れを告げるのは来春になるだろうと報じられたが、そうではなくなったようだ。

恐らくは西武球団が、松坂を翻意させたのだろう。「ファンのためにもそうした方がいい」と説得したのだろうが、「少しでもファンを集めたい」「メディアの注目を集めたい」という下心が見え隠れする。

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何度も繰り返してうんざりするが、NPB球団は「公式戦」を何だと思っているのだろうか?単なる「試合興行」なのか?客さえ入れば何をやってもいいのか?

プロ野球は1936年の創設以来、1945年を除いて営々と続けられてきた。戦時中、選手が次々と応召される中でも公式戦は行われてきたし、終戦直後、餓死者が出るような状況でも引き上げてきた選手の復帰を待って行われてきた。
「公式戦」が実施できなければ、プロ野球は存続できない。ただの「興行」でも「商売」でもなく、プロ野球と言うスポーツジャンルが存立しうる最も重要な根拠であり、プロ野球の歴史そのものだ。

そこに「引退する選手のお別れ会」と言う、極めて私的で、どうでもよいイベントを組み入れることにどれだけの意義があると言うのか?公私混同ではないのか?

選手は力が衰えたから引退を表明したのだ。「人様にお見せするような力はもうありません」と自ら宣言して、身を引いたはずだ。選手ではなくなった「元選手」を、公式戦に上げて勝負に関わらせることに、正当性があるのか?

それを見て感動するファンのレベルの低さはどうしようもない。「選手が引退で涙を流すのを見て、声援をする俺っていい奴」みたいな小学生レベルのくだらない感傷、自己陶酔である。こんな連中が束になって存在している日本の民度はどんだけ低いのかと思う。

何度も言うが、力が衰えて引退した選手は、さっさと退場すればいいのだ。その後の評価は、球場以外でなされればよい。それでこそ「実力の世界」だろう。

既に今季は、中日の山井大介と藤井淳志が引退を表明後、公式戦に出場している。彼らの公式記録には不自然な「1」の数字が追加されるのだ。

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どうしてもやりたいのなら試合前に始球式でも、1球勝負でもやればいいのだ。

一昨年、イチローは東京ドームで行われたMLB開幕戦を引退試合にした。これもおかしなことではあるが、イチローは試合が始まるまで「引退発表」をしなかった。ぎりぎりまで「現役」という体裁をとったのだ。
しかし昨今のNPBは、戦力外の選手を平気で公式戦に出している。この不見識をいつまで続けるのか?
敢えて言うが、戦力外の選手が公式戦に出るのは「不祥事」であり、選手の「晩節を汚す」ことだと思う。

松坂大輔と西武ライオンズは再考すべきだ。


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