しつこくて申し訳ないが、この記事は耐えられない。
スポニチ
真剣勝負か花添えるか 斎藤と対戦のオリ・福田の「四球」にネットで賛辞「配慮も完璧」
ネットでは、斎藤への慰労の声が相次いだが、その中での福田の対応を絶賛する声も。
「選球眼の良い福田が、よく7球も斎藤の投球を見せてくれた。ファンへの配慮も完璧」
「優勝を争う真剣勝負の中で、もし三振して1アウトをあげたりしたら大変。福田選手もやりにくかったでしょう」
「この結果なら、誰も怒られんやろ。福田ナイス」


要するに福田周平が公式戦で、斎藤佑樹にわざと多く投げさせるため、そしてファンを喜ばすために「手心を加えた」と言っているのだ。それをファンは「配慮も完璧」とか「福田ナイス」とか絶賛しているというのだ。

神に誓ってもいいが、福田周平は一野球選手として、目の前の投手から安打を奪うか、四球を選ぶかして何とか出塁することを考えていたはずだ。
この試合は草野球ではない。日本野球機構が公式に定めた「公式戦」であり、これに出場するにはドラフトで球団に指名されて契約し、多くのライバルがいる中で競争に勝って一軍のベンチに座り、スタメンに名を連ねなければならない。
多くの野球選手が夢見て立つことができなかった打席で、相手が、もはや選手ではない、しかも今季一度も登板していない「元選手」だからと言って「勝つこと」以外の意図をもってバットをもって立っていたとすれば、その時点で福田は「敗退行為」をしていたことになる。

「お前、斎藤のためにわざと打たないで四球を選んだんだろ?」
「本当は打てたのに、たくさん投げさせたんだろ」
「粋なことするじゃないか」

とファンに言われて、福田はどう答えるだろうか?
「そうなんですよ、わかってくれました?」と言うだろうか?

出塁した福田を、二番宗はバントで送った。130㎞/hしか投げられないへぼ投手から奪った四球でも虎の子の走者なのだ。当たり前の話だが、チームは勝つために必死になっていたのだ。

何度も言うが、斎藤佑樹を試合前の始球式で投げさせることはできなかったのか?打者が必要なら杉本裕太郎でも、T-岡田でも誰でも選べばいいのだ。1球で足りなければ1アウト勝負でやればいいのだ。それで何が不足だと言うのだろうか?

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ソフトバンクの長谷川勇也はおそらく斎藤佑樹よりもはるかに「現役に近い」戦力を有していたはずだ。長谷川はシーズン最終戦でセレモニーをするが、公式戦には「出場しない可能性がある」旨伝えていたという。さすがに首位打者もとった一流の選手だと思う。斎藤佑樹のように10年以上へろへろ球を投げてきた中途半端とは心構えが違う。

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松坂大輔は今日の試合で公式戦に登板するが「1球で決めてくれ」と言っている。彼も公式戦に戦力でない自分が出ることに後ろめたさがあるのか、それともめっきり衰えた投球を披露したくないのか。

公式戦で引退試合をする悪習はすでに20年近く続いている。2017年にはNPBがこれを追認したが、なぜ、誰も公式戦に「敗退行為」とみられても仕方がない茶番劇を入れることに異を唱えないのか?こんなことやっているのは日本だけだ。

日本のスポーツ界はそこまで民度が低いのか?

スポーツマンシップでは(1)相手(2)審判(3)ルールをリスペクトすることが求められる。戦闘能力がないすでに引退を表明した元選手を試合に出すことは、相手に対するリスペクトが欠けているといえるだろうし「敗退行為をしない」というルールへのリスペクトもないと言える。
日本はそんなに民度が低い国なのか?

たかが野球のことではあるが、この国はいったいどうしてしまったのかと思う。


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