新庄剛志の監督就任について、大喜びするファンがいるのは当然だと思う。北海道移転後の日本ハムにとっては救世主のような選手ではあったし、パフォーマンスだけでなくプレーでも活躍した。
だから「新庄剛志が帰ってきた」と喜ぶ声があってもよいとは思う。

私は何がなんでも新庄剛志新監督反対と言っているわけではない。しかし、新庄剛志という野球人には、不安な要素がたくさんあることも事実だ。

現役時代から様々な言動で世間に波紋を投げかけてきた。阪神時代の引退騒動、応援団に対するボイコット発言、そして突然のMLB挑戦、帰国後の襟付きアンダーシャツ問題、さらに引退後は、事業をやるもうまくいかず、資産を持ち逃げされるなどさんざんな目にあった果てに、日本に帰ってきている。

そしてなにより、新庄剛志は一度も指導者の経験がないのだ。コーチやアマ球界での指導者の経験もない。解説者としての経験も極めて少ない。そして工藤公康や吉井理人のように大学院で学んだわけでもない。「引退後は一切野球に関わっていない」と言ってもいいレベルだ。

IMG_5632


その人間に球団をゆだねようとしているのだ。もちろん、前任者の栗山英樹も野球指導の前歴はなかった。しかし栗山はスポーツキャスターをしていたし、スポーツ界とのつながりもあった。しかし新庄は長い間、時折テレビで見かけるだけの「何をしている人かわからない」人だったのだ。

この人事に対して、ファンやメディアから「大丈夫か?」と声が上がるのは、実に真っ当なことだと思うが、メディアはもろ手を挙げて絶賛するだけだ。

先週、「ひるおび」でも新庄監督就任を報じていたが、そこでは「日本ハムの育成システムの優秀さ」を紹介していた。端的に言えば、それは過去の話であり、そのシステムが今は破綻しているはずなのだ。この番組には知り合いの中島大輔さんが出演していた。彼は当然、日ハムの現状、問題点を知っていたはずだが、それを語る事はできず「日本ハムのすばらしさ、新庄への期待感」を語るにとどまったのだ。

メディアは、なぜ、一つのものの見方に、なだれを打ったように偏向してしまうのか?
これは、今のメディアが「いろんなものを怖がっている」からだ。

一つは、球団だ。異論を唱えれば、取材面で不利な扱いを受ける可能性がある。出禁になったり、取材機会を失う恐れがある。

もう一つは、ネットだ。ネット民の間には「新庄新監督楽しみしかない」みたいな意見が氾濫している。「心配だ」と言う意見も当然あるはずだが「新庄株」が異様に上がり続けている。ここで水を差すような報道をすれば、メディアは叩かれまくる。
正当な批判であっても「新庄に失礼だろ」「謝れ」みたいなSNSが集中するのだ。秋篠宮家の長女の結婚をめぐって「真子さま叩き」が、新しいレジャーとして匿名の人々に瞬く間に広がったように、メディアは炎上するのを恐れているのだ。

結果として、新庄剛志監督は「日本全国が大賛成している」ような空気になる。しかしこれは長続きしない。新庄が何か失敗すれば、メディアもネットもあっという間に手のひら返しになる。

私は新庄剛志が成功しようと失敗しようとどちらでも良いと思っているが、今のスポーツメディアが、まともな論評ができなくなっていることに、大きな危惧を抱いている。


引分投手にホールドを!!

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!