野球と関係のない話だが、ひとこと言っておきたい。
大阪の建設会社、フジ住宅が社員に、向けて従軍慰安婦などに対する歴史認識に加え、韓国や中国の出身者らを「うそつき」「野生動物」などと侮辱する内容の雑誌記事などを全従業員に繰り返し配布した。在日韓国人のパート従業員が、これに精神的苦痛を受けたとしてフジ住宅と今井光郎会長に3300万円の損害賠償などを求めた訴訟を起こした。

これが2015年のこと。2020年、一審では一審大阪地裁堺支部は110万円の賠償を命じたが、フジ住宅側が控訴。大阪高裁は昨日賠償額を132万円に増額し、差別文書配布の差し止めも求めた。

一審判決後もフジ住宅は「チンピラやくざとおんなじ」と原告を批判する文書を大量に配った。

この問題ではフジ住宅側は、疑問の余地なくアウトだ。特定の人種、民族、属性の人々をまとめて、根拠のないきめつけ、非難を繰り返し行ったのだ。これを容認すれば、人々は安心して生活をすることができない。根も葉もない虚言を禁止するのは、まともな国として当たり前のことのはずだ。

しかしこの非が明白な判決までに6年もの歳月がかかっている。しかも損害賠償は25分の1になっている。フジ住宅にしてみればこれしきのはした金を払っても痛くもかゆくもない。

フジ住宅側は「過度の言論の萎縮を招くもので、到底承服できない」として上告したが、また最高裁の判決が出るまで数か月単位の時間がかかるのだ。

差別発言をする連中は「言論の自由」を標榜する。これは明かに間違っている。「言論の自由」は、民主主義、人権を守る前提で認められた権利だ。特定の人間を不当に非難する言説は「言論の自由」の枠を逸脱している。許してはならない行為だ。

言論の府たるメディアは、フジ住宅、さらにはDHCなど民主主義、人権を脅かすような言論を振り回す私企業に対して、非難する意見を表明することには及び腰だ。
高須クリニックやAPAホテルも含めて、こうした企業は広告出稿が多い。それに、フジ住宅の今井光郎会長は、日本会議に所属する倫理研究所の法人組織・倫理法人会の会員であるなど、こうした企業の経営者は、安倍晋三の支援母体である日本会議とつながっていることが多いのだ。
日本最強の権力者に近い企業経営者には、朝日や毎日も含めて、強く非難することができないのだ。

こうした図式は、日本高野連とスポーツメディアの関係でも見られる。日本高野連がおかしな処分をしても、運動記者クラブのメディアは「事実関係」を伝えるだけで、一切、論説をつけない。ビビっているとしか思えない。

その結果として、日本の既存の言論機関は、人々の信用を失い、野次馬同然の存在になりつつある。そして汚らしいヘイトがネットで増殖する。あえて言えば、新聞、テレビは差別や不正、人権侵害などに対して「はっきりモノを言わない」という不作為によって、民主主義の脅威になるようなおかしな連中の台頭を許している。「恥を知れ」と言いたい。

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