中華人民共和国は、敵対する西側諸国について「大したことはできない」とタカをくくっている節がある。

むしろ「コロナ対策」に神経を使っている。外国からは観戦客を受け入れず、国内だけに限定することを早々に決めた。デルタ株は中国でもしぶとく生き残っているが、人権に配慮する必要がない中国では、大胆なロックダウンや行動制限をして、ウイルスを封殺しようとしている。
中国はメンツにかけても「コロナなきオリンピック」を目指すはずである。

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しかし、ここにきて怪しげな事件が勃発した。
中国の女子プロテニス選手、彭帥が、共産党最高指導部メンバーだった張高麗・前筆頭副首相との「不倫関係」を告発し、倫理にもとる背信的な行状をさらけ出したのだ。

張高麗は2018年に引退したが、当初、これは習近平の幹部粛清の一環ではないかと思われた。しかしそうではなくて、中国権力者の腐敗を一アスリートが告発したのだった。

彭帥は、その後消息が分からなくなった。世界がざわつき始め、WTA(女子テニス協会)のサイモン最高経営責任者が深い懸念を示すとと
中国国営のCGTNは18日、彭がWTA宛てに書いたとされるメール文をツイッターに掲載。「(WTAの声明文は)根拠も実証もなく、自分の同意なく公表されたものだ」と述べ、自宅で安全に過ごしていると伝えた。

中国のような独裁国家では、一アスリートの命など虫けらのようなものであり、権力保持のためなら平気で圧殺するが、民主主義国家からすれば、こうした弾圧は、見逃すことができない重大な事件だ。

WTA側は文章が本人によって書かれたものかどうかは疑わしいとの見方を示した。
アメリカのメディアは「中国政府は沈黙を続けている」「共産党幹部を直撃した、初の(性暴力を公表する)『#MeToo』運動だ」と報じている。
AFPによると、国連は19日、女子テニスの彭帥(中国)が中国の前副首相から性的関係を強要されたと告発した後、消息不明になっている問題で、彭の所在に関する証拠を要求した。

今後、アメリカなど西側諸国は彭帥の人権をめぐって語調を強めてくると思う。すでにノバク・ジョコビッチ選手が「消息不明は衝撃的。過去のツアー戦で顔を合わせていた人物ならなおさらだ」と語り、大坂なおみも「彭帥はどこにいるの」とハッシュタグした。他にも世界的なアスリートは声をあげ始めているが、これが五輪ボイコットの機運をさらに高める可能性もあるだろう。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は18日、中国政府を批判しない国際オリンピック委員会(IOC)の対応を疑問視した。
北京五輪を開催できなければIOCはビジネス的に困るから、看過するだろうし、日本も同調するだろう。

日本のおじさんスポーツ関係者は「そんなの大したことないじゃないか、どこでもあることだよ」と言いそうだが、これは由々しき問題だ。

日本は、権力者を非難したアスリートが、突然どこかにいなくなってしまうような怖い国で行われるオリンピックに、本気で選手を送り込む気なのか?


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