昨年も180万部減、全然止まらぬ「新聞」衰退の末路「毎日」「産経」規模の部数が毎年消失している
これまでも新聞の衰退について書いてきたが、この数字はやはり衝撃的だ。
私が子供のときは、新聞は「大人のたしなみ」であって、朝、大人は朝刊を読んでから出勤し、拠る帰ってきた大人は夕刊を読みながら食事をしたものだ。

ネットがない時代は、世の中の動きを知る術は新聞とテレビだけだった。この2つのメディアがなければ一般国民は、何もわからなかった。雑誌などのメディアは、新聞・テレビの「余談」で飯を食っている印象だった。新聞、テレビの信用は絶大で、雑誌は胡散臭いものだった。

この状況はネットの進展で劇的に変わった。人々は朝夕の新聞を読む前にオンタイムで情報に接することができるようになった。しかも「記者クラブ」で横並びの報道をする新聞とは異なる報道をするネットメディアも出てきた。

それでもテレビは、その圧倒的な到達力でまだ影響力を保持しているが、紙の新聞はここ20年で驚くほど影響力を落としている。

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新聞の問題は、「量」つまり単純に「読者が減っている」ことに加えて、「質」つまり「メディアとしての信用を失っている」ことも大きい。

ネットメディアは、資本がなくても人数がいなくても、フットワーク軽く報道するメディアが現れて新聞よりリアリティのある報道をし始めて、新聞の「鮮度のなさ」が目立つようになった。

新聞報道が生ぬるくて核心を突くことがないのは、一つは「記者クラブ」と言うカルテルを組んで、スクープ記事で他の新聞が不利益を被ることがないように「談合」していることが大きい。新聞は長い間立場が安泰だったので「競争」しなくなったのだ。その上に分数の減少とともに、広告の比重が大きくなり、広告主に対して「配慮」をするようになった。
もともと新聞は「権力の監視人」として誕生したが、今では「読者よりも取材源」を大事にするメディアになってしまった。そのことが「新聞記事の価値の相対的な低下」を生んでいる。

スポーツ紙は一般紙よりもさらに部数減が激しく、今では20年前の3分の1、600万部から200万分に減った。今や人口の1.6%程度しか読んでいない。ネット以外でスポーツ紙に接する読者は極めて少なくなっているが、スポーツ紙の危機感はほとんどない。

ここ10年で「紙のスポーツ紙」は、ほぼ確実に消滅するが、危機感を持っている人は非常に少ないのが現実だ。


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