大阪偕星学園は、昔の此花商業である。大阪では学校名を変えてイメチェンを図る学校が散見される。
福島商業が履正社に名前を変えて、野球の強豪校になったのがその典型だし、この大阪偕星学園もそれに追随するものではあろう。

生き残りをかける私学がやることは2つ。「進学」と「甲子園」である。
東大に行けそうな生徒を学費免除でスカウトするとともに、ボーイズやリトルシニアの有名選手も学費免除でスカウトし、寮費も持って小遣いまでやるようなことをする。特待生は人数を限って認められているからルール違反ではない。

そして指導者、進学の指導者は入学即「受験勉強」でしごき倒す。甲子園の方もレギュラー候補を徹底的にしごく。生徒が将来、名選手になることは望んでいない。とにかく目の前の試合に勝って甲子園にまで出ればそれでいいわけだから「促成栽培」に徹するわけだ。

学校側はつてを頼ってそういう指導者を呼んでくる。教育もへったくれもないわけで、勝たせる指導者を引っ張ってくる。

大阪偕星野球部山本晳は、津山商業から大阪学院大。甲子園は出ていないが、その後尽誠学園、阿部企業、太平洋ドルフィンズ(KBO現代)、多摩大聖ケ丘、倉敷高校と転々と勤務先を変えている。阿部企業は明徳義塾の馬淵史郎監督が出ている。

大阪偕星学園監督時代は、2015年に大阪桐蔭を破って甲子園に出場して名前を売った。しかし昨年、突然、倉敷高校に転任していた。

昨年になってコーチだった水落雄基が選手への強制わいせつで逮捕される。取り調べの過程で、水落は山本晳監督の「GoToトラベル」に関わる不正に加担させられたことを自供。これがきっかけとなって山本晳の逮捕につながった。
水落は「詐欺行為の片棒を担がされたストレスで強制わいせつに走った」と言ったそうだが、師弟ともに品性下劣と言うべきだろう。

山本晳の詐欺行為は昨年から学校内で話題になっていて、父兄の前で説明させられている。その後の退任は、実質的な解任だったと思われるが、私学の倉敷高はそういう経緯を知らずに「甲子園に連れて行ってくれる指導者」として山本晳を雇用したのだろう。

この事件に登場するのは「浅ましい人々」ばかりだ。山本晳や水落雄基だけでなく、大阪偕星や倉敷高の経営陣もただただ「甲子園に出る指導者」というだけで、これらの人物を雇用したのであり「教育」の2文字とは程遠い人たちだと言えるだろう。

「甲子園至上主義」は、こうした浅ましい人の跳梁跋扈を許すのだ。「甲子園」と言うシステムそのものが、時代に合わなくなっているのは明かだろう。

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