数日前、少し炎上しそうになったのでコメント欄を閉じた投稿があった。
選抜で予想外の展開で出場が決まった大垣日大の主将が
「聖隷クリストファーの分も頑張りたい」といった件に対し「聞いた風なことを言うな」と言ったのだが、主将の実名を出したところ「高校生なのに実名を出すか」「何の問題もないだろう」などのコメントが来て、小さな炎上になった。

スポーツ新聞が実名で報じていたのをそのままブログで紹介しただけであり、問題ないとは思うが、馬鹿な人を喜ばせるのは本意ではないので、ここでは再度実名は出さない。

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この言葉、何が問題だったのか。この言葉は選抜の選考があった1月28日の翌日、29日にメディアに向かって発せられた言葉だ。この主将は聖隷クリストファーの選手を慰めたつもりだったのだろうが、決定の翌日であり、聖隷クリストファーの監督やナインは、それを受け入れられる心境ではなかっただろう。
「聖隷クリストファーの分も頑張りたい」という言葉は、一見慰めているように見えるが、この疑念一杯の選考についての議論をぴしゃっと封じてしまう言葉になっている。




この言葉がポジティブな意味を帯びてくるのは、決定から時間が経って聖隷クリストファーの指導者、ナインもあきらめの心境になり、次の大会に向けて前向きな気持ちになったタイミングだろう。そこまでは、そういう言葉は発すべきではない。

高校生だから、未熟だからというが、10代後半ともなれば、当事者の一人として相手を思いやる「惻隠の情」を持つことは普通にできるはずだ。

では、大垣日大主将はどういえばよかったのか?賢明な答えは「僕は何もわかりません」だろう。
この決定が、一方の学校に対して理不尽なものだったのは明らかだ。しかしその議論に口をはさむこともできない。そういう彼の立場で口にできるのは「わからない」の一語だろう。

よく不祥事を起こした野球選手は往々にして「野球で恩返しをしたい」ということがあるが、これも同じ性格の言葉だ。物事の本質を受け止めずに議論をはぐらかし、議論を終わらせようとする小賢しい言葉だ。

上意下達の意識が強い野球選手は、物事をよく考えることをせず、こういう「せこい処世術」を身に着けがちだが、これは良くないと明言しておきたい。


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