国際連合では、オリンピック、パラリンピックの前年に、世界のあらゆる紛争の休戦を呼びかける決議がされるのが恒例になっている。
2020年の東京五輪では、組織委員会の森喜朗会長が、7月24日から8月9日にかけて開催される2020年夏季オリンピックおよび8月25日から9月6日にかけて開催される夏季パラリンピック期間中の休戦を求める「スポーツとオリンピックの理念を通じた平和でより良い世界の構築」決議を国連加盟国に提出し、全会一致で可決された。

2022年の北京五輪・パラリンピックでは、中国やロシアなど173か国が共同提案国となって去年12月に同様の決議が提出され、全会一致で可決された。
ロシアは北京オリパラの「平和決議」の共同提案国だったのだ。

今回のウクライナ侵略について、ロシアが国内で「戦争」「侵略」と言う言葉を絶対に使わせず「平和維持活動」と言っているのは、そういう経緯があったからだ。
ロシアと言う国が、国連など世界の存在を多少なりとも気にしていると言うのは、まだしも、と言う感がある。

しかしロシアは過去にもオリンピック停戦を2回破っている。
2008年は、北京夏季五輪開会式当日にロシアとグルジアの軍事衝突が始まった。2014年のソチ冬季パラリンピックの直前にも開催国のロシアによるクリミア半島への軍事介入があった。

このときもロシアは「戦争」とは言わず、平和維持活動、あるいは相手国の侵攻があったと強弁していた。

そもそもロシアは深刻なドーピングによって、国としての五輪参加は認められず、ROC（ロシアオリンピック委員会）の参加となっている。いわば世界のスポーツ界ではロシアは「札付きのワル」なのだ。

しかしロシア自身は、プーチンが柔道など様々なスポーツをする姿を国民に見せるなど、スポーツを国威発揚に利用している。ROCの名前で出場した選手が帰国すれば、プーチンは「国家英雄」として表彰している。IOCの処分など無視しているのだ。

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スポーツの世界がロシアに何らかの掣肘を与えることができるとすれば、ロシア国籍の選手はたとえROCでの参加であっても認めない、国籍を離れるか、別個に「国際スポーツ平和委員会」のような組織を作って「平和への誓い」を明言した選手を入会させて出場させるようにすべきだと思う。
そして「プーチン体制が続く限り、ロシアはスポーツの世界から排除される」ことを明言すべきだろう。

自国の選手があらゆるスポーツの世界から排除されるとなれば、ロシア国民の失望は大きくなる。そういう形で「今、ロシアは世界からどう見られているか」を思い知らせることは、意外に効果があるのではないか。


NOWAR


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