NHKはニュース番組のナレーションの一部をAIで行うようになっている。
NHK公式サイト
AIアナウンサーは、気象情報の原稿に対して、NHKのアナウンサーの“読みの技術”を音声合成で再現します。文脈に合わせた自然なイントネーションや間の取り方など、NHKのアナウンサーが情報を分かりやすく伝える読みの技術を、DNN※音声合成技術を用いてコンピューターに学習させています。

これまでのNHKの放送は全国放送と47都道府県の放送だけだったが、気象や災害など地域ごとにきめ細かに対応するためにもAIアナウンサーを起用して放送を始めようとしている。

AIアナのメリットは
伝わりやすい音声で伝えることができる
時間内に正確に伝えることができる
原稿ができれば即、伝えることができる
そして何より、低コスト


ということではあろう。受信料などへの風当たりがきつい中、アナウンサーを増やすことなく放送の密度を上げようとしている。

しかし、普通の放送だと思って聞いていて「AIだ」と気が付いたときには、軽く裏切られたようながする。
「大丈夫、慣れるよ」と言うかもしれない、AIはどんな嘘でも、ひどい話でも、平気で(そもそも気はないけど)発信することができる。

「AIが人間に置き換わることができる」ことをあたかも良いことのように言う人がいるが、人間が主体でなくなっては困ることもたくさんあると思う。
AIアナが主流になれば、フェイクニュースの発信が極めて容易になると思うが。

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野球の審判も今にもAIに置き換わるように言う人も多いが、2つの意味で問題があると思う。

一つは、野球のジャッジはそんなに簡単ではないという「技術」の側面。ストライクボールの判定は打者によっても投手の投球によっても異なる。しかもストライクゾーンは変更されることもある。そうした複雑な条件設定にAIが対応できるのか。
また、AIのジャッジが、人間の見た目と一致するとは限らない。人間のジャッジでも様々な見え方をし、異論のもとになる。「AI様の言うことに間違いはない」と思う人の方が少ないはずだ。

もう一つは「審判と言う職務」の「意義」の側面。スポーツは選手と審判と言う2種類の「人間」によって成り立っている。そのうち「競技を進行し、様々なジャッジをする」審判だけを「非人間」に委ねることができる、となぜ考える人がいるのかがわからない。選手を「非人間」にすることが考えられないのと同様、審判をAIにすることもあり得ない。

「審判のAI化」を主張する人は「審判なんて誰でもできる」と思っている。しかし野球の試合を注意深く見ていれば、審判がいかに高度な技術、知識を必要とする仕事かが分かる。プロ野球の審判でも、技量によって試合出場数に大きな差があるのだ。一軍の試合でクルーを組んで出場している審判は、日本で最も優秀な審判なのは間違いがない。

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「審判への非難」はほとんどの場合「自分が贔屓にするチーム、選手」が不利な判定をされた人間が口にする。「正しいジャッジを求める」というより「贔屓のチーム、選手が損をしたのが気分が悪い」から不満を言っていることが多いのだ。こういうくだらない人間の文句が、あたかも「公論」のようになってしまうのは民度が低いと言わざるを得ない。

そういう人間はAI審判になったとしても不平を言い続けるはずだ。「審判へのリスペクト」というスポーツの基本を知らないからだ。

ビデオ判定など新しい技術の導入は必要ではあろう。しかし野球が日本に伝わって150年の間培われてきた、極めてレベルの高い「審判技術」を不当に貶めるような意見には断固反対する。

スポーツは不完全な選手と不完全な審判によってつくられている。その前提を理解し、リスペクトすることが、スポーツファンの基本中の基本だ。


NOWAR


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