「ウクライナ侵略」は、「現代の独裁国家は本格的な戦争では弱い」ことを露呈した。
昔の独裁国家、例えば日本は耳目を塞ぎ洗脳することで、絶対的な忠誠心を持つ国民を作り、大量に死地に赴かせることができたが、今はいかなる独裁国家でも人々の耳目を塞ぐことはできない。
また独裁国家は構造的に「腐敗」を生む。戦前の日本も利権は根深く汚職も多かった。特に軍隊は腐敗が激しかった。

今の独裁国家の兵隊は、自分たちが国家の犠牲になっていることを知っている。厭戦気分を元々持ったまま戦地に来ている。その上、軍隊は汚職が横行しているので額面上の戦力と、実際の戦力には差がある。さらに有能で先の見通しが効く指揮官は味方の不利についても直言するので煙たがられ「いい話」しかしない忖度型の、つまり無能な指揮官が采配を振るうことになる。プーチンが最前線に指揮官を活かせようとするのは、彼らが戦場にあっても保身を考えているからだ。
無能で消極的な軍隊は弱い、弱いことがさらに厭戦気分を高め、軍隊を弱くする。



民主国家の軍隊では、有能な将官が出世することが多い。また組織の腐敗も独裁国家ほどひどくはない。さらに、国民は「自分の国を守る」意識が強い。特に侵略された場合に軍隊の士気は上がる。

ウクライナ侵略では、侵略する側、された側の違いに加え、独裁国家ロシアと一応は民主国家のウクライナの「体制の差」が「軍隊の強さの差」となっている。独裁国家が勝つことができるのは、同じような独裁国家か、国内が混乱している国家に限るのだ。

ロシアの失敗を見て「学習能力がある独裁国家」中国は、自由主義圏、とりわけ先進国と戦争をすることの難しさを痛感したはずだ。

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中国にとってのウクライナである台湾を支配下に置くことは、国家的な悲願ではあるが、ウクライナよりもはるかに民主主義が機能し、しかも日本、アメリカと実質的な同盟関係にある台湾を攻めることは極めて難しいと認識しているに違いない。

バイデン大統領は「一つの中国」を認めるそぶりをしながら「台湾に手を出せばただでは置かないぞ」と言い始めている。

中国は軍事侵攻以外の手を考え始めるはずだ。一つは台湾の蔡英文総統の政敵、老舗の国民党への支援。もともと朱立倫主席は習近平と仲が良い。
中国は国民党やそれに近い企業グループを支援するとともに、蔡英文総統にトラップを仕掛けて失脚させようとするだろう。台湾の民主主義の成熟度が試されている。

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韓国は半ば中国経済に取り込まれている。ウクライナ侵略に関して、韓国世論が異様に鈍いのは、中国、ロシアに気兼ねをしてのことだ。民度の問題と言うより地政学的な問題だ。日本はこの国をしっかり西側に惹きつけるために、外交努力をしなければならない。

そして日本、あほな右翼は日本共産党やリベラル勢力が中国とつながっているように言うが、中国は金もうけが下手な勢力には洟もひっかけない。
中国はすでに貿易で日本企業と密接につながっている。そもそも天安門事件でダメージを受けた中国を国際社会に復帰させたのは、日本だ。日本は西側諸国で唯一、中国への共同制裁に批准しなかった。その恩義を中国はとっくに忘れているが、特に自民党の幹部は、中国と太いパイプを持っている。安倍晋三は右翼の神輿に乗っているが韓国は馬鹿にしても、中国には慎重な態度に終始した。政権末期に、コロナがなければ習近平を日本に呼ぶつもりだった。中国は、安倍晋三など自民の極右と維新など右のポピュリストへの工作を強めている。公明党はもとより創価学会が中国に大きな足場があるから親中ではある。

今後、メディアの中には少しずつ「親中」の言論が増えていくと思われる。これが中国の「戦火を交えない戦争」だ。ただ、ロシア、中国など独裁国家は「国民をだますのが下手」だ。これらの国にはリテラシーの高い国民はあまりいないから、嘘をつく技術が上達していないのだ。

恐らく、中国が本格的に日本を懐柔するとなれば、電通など広告代理店がメディアとして本格的に中国から仕事を受注し、ミッションを実行するだろう。東京オリンピックのように。
中国の習近平体制が崩壊しない限り、そういう形で「見えない侵略」は進むだろう。

そして日本の主要メディアは「忖度なすびのいがいがどん」だから、ほとんど役に立たない。雑誌やネットメディアがしっかりしないとと思う。
日本人の知性、リテラシーが問われる。

それにしてもこのウクライナ侵攻このかた、日本は完全にアメリカの属国になってしまった。バイデンはグアムかハワイに来るような感覚で日本にやってきた。バイデンは要するに「味方になる以外に選択肢はないだろうが」と言っているのだ。
中立や独立など、地政学的にあり得ないのだから仕方ないとも思うが、だったらアメリカと一緒に中国を厳しく排除しないと、と思う。





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