新任監督が実績あるベテラン選手を「無期限」に二軍落ちさせる事例が2つでた。

日本ハム新庄剛志監督(50)がこの日出場選手登録を抹消した宮西尚生投手(36)について語った。「前々回も前回も、あんまり良くなかったから。あとは、宮西君にしてほしいことは、スライダーの曲がりがちょっと早い。もっともっと、彼がやってきたバッター寄りでクッと曲がる変化球をBOSS組(2軍)でもう1回、やってもらいたい。みんなが挑戦をする年なんで。誰であろうが、実績とか関係なし」と、無期限で再調整をさせる考えを明かした。

中日・立浪和義監督(52)が12日の交流戦最終戦となった試合後、福留孝介外野手(45)の一軍登録抹消を明言した。「下で、本人は真面目に一生懸命やる選手ですから。本当に良くなればまたもちろん上げますし、あとは『下で若い選手にもいろいろアドバイスもしてくれよ』と伝えました」と期待を寄せた。しかし、再昇格のタイミングについては「現段階では上げるとか上げないとかは考えていない」と〝無期限〟での二軍調整の方針だ。

どちらの事例も、メディアが勝手に「無期限」と言っただけで、監督が口にした言葉ではない。
ただ、2人とも「故障」「怪我」があったわけではない、またいわゆる「調整、休養」でもない。「成績不振」でのファーム落ちだ。だから「戦力になる」と指導者が判断するまで、昇格はさせない。「無期限」なのは当たり前の話ではある。しかし「無期限」という見出しが躍るのは、選手にとっては不名誉で、ショッキングなことではあろう。

新任監督にとって「ベテラン」は扱いにくい存在ではある。両監督ともにチームのOBであり、レジェンドではあったがブランクがある。現時点では、自分よりもチームでの在籍年数が長く、存在感の大きいベテランは、気を使わなければならない。ファンもうるさい。

できれば遠ざけてしまいたい。自分の言うことを素直に聞く若手、にわかではあるが「子飼い」になりつつある若手を使っていきたい、というところだろうか。

宮西の場合はまだ働き盛りである。15年連続50試合登板と言う記録も継続中だ。確かに成績は良くないが、去年までのような「絶対的なセットアッパー」と言う扱いではなくなり、調子が上がらなかったと言う一面がある。「しっかり使ってくれればこんな成績ではなかった」と言う思いもあろう。

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福留は現役最年長の45歳で、あと48本でNPB2000本だ。現役生活最後のキャリアを過ごすために昨年、中日に戻ってきた。昨年はベテランらしいしぶとい打撃で存在感を示してきたが、今年は調子が上がらない。それだけにファーム落ちを甘受せざるを得ない。

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2人の新人監督は、リーグの最下位に沈んでいる。余裕がないためにベテランに配慮することができない。苦しい状況だから実績の上がらないところから切られる。

新任監督がきっかけとなってベテランが移籍したり、引退することはままある。この2人も「無期限」の向こうに「チームを離れる」という選択肢が見えてくるのではないか。


NOWAR


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