愛媛新聞
聖カタリナ学園野球部が日本高野連から厳重注意処分 愛媛大会は3年生のみ出場
四国は私学が比較的弱い地域だ。4県ともに公立の商業高校が強かった。愛媛の私学では済美が強かったが、聖カタリナ学園は2016年に女子高から男女共学になり野球部を作った。そして昨年春には甲子園に出場した。前年の県大会で初優勝し、四国大会でも準優勝だったのだ。

私学が促成栽培的に強豪校になるための方法論は一つしかない。グラウンドや練習施設を整備して野球部の寮を設け、実績ある指導者を高給で雇い入れ、全国から有望選手を特待生でつれてくる。この1パターンだ。
同時に学費収入を確保するためエリート以外の生徒も寮の定員いっぱいまで受け入れる。

指導者は特待生の選手を中心に指導する。その他の選手にはあまり気をかけない。選手起用も最初から偏っている。その他の選手は不公平だと思いがちだ。
そういう子どもたちが寮で24時間、一緒に生活しているのだ。

野球の実力は大差があっても、寮では同じ高校生だ。出場機会に恵まれない上級生が下級生にきつく当たるようなことは頻繁に起こる。

愛媛新聞
5月に野球部の寮で寮生の複数の1、2年生部員が1年生1人に集団暴行し、顔などにけがをさせた。学校側は寮を閉鎖して寮生全員を自宅待機させ、下旬に野球部の保護者説明会を開いたという」

この暴力の原因は、間違いなく「高校野球で商売をしようとした」学校側にある。しかし直接暴力をふるったのは1,2年生の高校生だ。
未成年ではあるが暴力事件であり、被害者の高校生、親、そして学校は警察に届けるべきだ。

しかし「プライバシーの保護」を理由に警察には届けなかった。そして日本高野連に報告。高野連は厳重注意処分に処した。監督と部長は退職したと言う。

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日本高野連が日本の法律の下に存在している組織だとすれば、まず第一に行うべきは「警察への通報」だったはずだ。暴力事件はまず刑事事件として捜査されるべきであり、高野連の処分は、その結果を待って行うべきだ。

日本の高校野球では、高野連が「警察」「裁判所」の代わりをすることがしばしばあるが、結果としてそれが高校や指導者を守ることになることがよくある。
「今の高校野球の体制を1ミリも変えたくない」という関係者の“熱意”が、法を超え、モラルを超えて超法規的な措置を行った。

これを何とも思わない日本のメディアも相当頭をやられていると思う。



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