この女性に興味があるわけではなく、むしろ不快な存在だと思っていた。

田中将大夫人と一緒に売り出したが、いわゆる「おバカタレント」で、珍回答やおかしな行動で売る、半端な芸能人だと思っていた。
そういうキャラで売り出したタレントも、時間が経てば地金が出てくる。本当に「おバカ」なのか、テレビの前での「キャラ」なのかが次第に明らかになるのだ。
田中将大夫人は「おバカ」を演じていただけであり、本当は大スター選手の妻と言う非常に難しいポジションで、世間に好印象を与えることに見事に成功している。

木下優樹菜も芸人と結婚して幸せな家庭を作ったところまでは「順目のストーリー」だったが、タレントが良くやるコスメやスイーツなどのせこい商売をめぐってトラブルが起こり、恫喝まがいの言葉を吐いた。「本性を現した」という感じで、以後は離婚、芸能プロダクション退社、タレント廃業と転落の人生をたどりつつも、一般人として「ヤンキー」を相手におかしな商売をしている。
芸能人と言う立場を奪われた「ゾンビ芸能人」という意味では宮迫やTKOの木下などと同じ範疇だが、ひとことで言えば「見苦しい」だった。

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しかし彼女は、16年前から「韓国人で本名は朴優樹菜だ」と言われたことについて、明確に否定してこなかった。その理由について、
「『韓国人じゃないよ』って否定することが、韓国の人にメチャクチャ失礼じゃない? って。別によくない?って。『韓国の人に超失礼じゃん』ってのがあったから、絶対否定したくなかったの」
と語った。これは非常に重要なことだ。

日本人が「あいつは本当は韓国人、朝鮮人」というときには、すでに「差別感情」が入っている。「(人種的に劣る)朝鮮人のくせに日本人を装うとは、不逞なやつ」という上から目線の気持ちが入っている。そのニュアンスを理解できない人は「韓国人、朝鮮人なんかじゃないわ、日本人だ」と強く否定してしまうが、それが韓国人、朝鮮人のプライドを傷つけると言うことに気が付かない。
あるいは「お前は韓国人だ」云々のやり取りそのものが、すでに「韓国人、朝鮮人を差別する」ことを目的としている可能性さえあるだろう。関東大震災のときは「朝鮮人が井戸に毒を投げ入れている」と言うデマが飛び、多くの朝鮮人が虐殺されたが、この時は朝鮮人を見つけ出すために「歌を歌わせる」ようなことが行われている。ナチスドイツと同じことをしていたのだ。

例えば彫りの深い日本人が「ハーフじゃないのか」みたいに言われたとしても、ここまで屈折した感情にはならない。それは日本人の多くが西洋人に差別感情を持っていないからだ。アパルトヘイト下の南アフリカでは日本人の商社マンは「名誉白人」とされていたが、そのことを自慢げに言う人もいた。日本人の中には「西洋人と間違われてうれしい」とひそかに思う人もいるかもしれない。

今の日本にも「あいつは本当は韓国人、朝鮮人」であることを暴き立てようと言う人たちが一定数いる。その中にはDHC会長の吉田嘉明のように社会的地位がある人さえいる。日本が老化して新たな価値を創造できなくなり、いろいろあっても様々な分野で成果を出している韓国に追いつかれた、という印象が強まるとともに「韓国、朝鮮」への嫉妬が強くなり、差別感情が強まっている。
そもそも日本人は朝鮮半島や南西諸島など様々な出自を持つ人が日本に来て混血してできた民族だ。特に韓国、朝鮮の人々との縁は深く、日本の皇室でさえも朝鮮王族→渡来人の百済王族の血が入っている。差別をするのは全くナンセンスだし、日本人の卑屈な劣等感の裏返しだ。

このブログを書き始めて、私も「広尾晃は朴晃一と言う韓国人だ」と言われたことがある。この時も「強く否定するのは韓国、朝鮮の人に対して失礼だ」と言った記憶がある。木下優樹菜の今回の発言はデリカシーがあり、素晴らしいものだったと思う。

木下優樹菜の記事のヤフトピには、情けないコメントがたくさんついているが、韓国人、朝鮮人だからと言うだけで、差別する人々は「おバカタレント」よりもずっと程度が低い、特にモラル、理性と言う面で最低だ。日本人の「恥」だと言っても良いだろう。


NOWAR


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