毎年、こんなニュースが飛び込んでくる。昨日、選手権千葉県大会で、千葉学芸82ー0わせがくと言う試合があった。

千葉学芸 32 33 9 1 7:82
わせがく 0 0 0 0 0:0

また三重県では60-0と言う試合があった。

徳 西 0 0 0 0 0:0
津 西 21 22 10 7 X :60

三重県では7月8日にもこういう試合があった。

川 越 17 7 10 0 11 :47
英 心 0 0 0 0 0:0

これらの試合は初回で完全に勝敗がついている。おそらく試合前のシートノックを見るだけで、レベルの違いは如実になっていたはずだ。

こういう試合で何点取るかと言うことに、大きな意味はない。大事なのは惨敗が予想されたチームに対して、どのような配慮ができるかだ。
同じ高校生、同じ球児として、弱いチームの選手に対しても「野球を体験させる」配慮が必要だった。夏の甲子園の予選は、誰にとってもこの試合しかないのだ。

旧来の高校野球関係者、ファンの感覚としては
「弱い奴はさっさと負ければいいんだ、どうせ勝てるとは思っていないんだし」
「よくもこんなレベルで、のこのこ試合に出てきたな。棄権しろよ」
というところだろうか?

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要するに「勝利至上主義」で、弱い野球部には何の価値もないと思っているのだ。
だから強いチームは、こういう試合ではまるで打ちっぱなしをするゴルファーのようにどんどんバットを振り、どんどん点を入れていく。彼らには、弱い相手チームの選手の顔など見えていないはずだ。

「高校通算何本塁打」というまことしやかな記録には、こういう試合の数字も含まれている。だからこそ有力な選手はこういう試合で頑張るわけだ。

こういう試合を平気でする選手が将来、どんな選手になるのかはわからない。おそらくそのころにはこんな試合があったことは忘れているだろうが、ぼろ負けに負けたチームの選手は、一生忘れないだろうと思う。

どうすればいいのか?一つには、こういう実力差のあるカードを組まないように配慮すべきだ。そして不幸にもこういう試合ができてしまったら、強い側のチームはコールドゲームの要件を満たした段階で、できるだけ早く試合が終わるように努力すべきだ。主導権を持った強いチームには、そういうコントロールができるはずだ。
わざとアウトになれと言っているのではない。四球を選ばず早打ちするとか、バントや盗塁をしないとか、やれることはいくつもあるのだ。82-0の試合では36盗塁もしている。

MLBでは大差がついた試合では、盗塁もしないし、粘って四球で歩くこともしない。相手チームに恥をかかせることになるからだ。アンリトゥンルールの代表的なものだ。

こういう試合をするから「野球は嫌だ」「野蛮だ」と嫌われる。野球競技人口が減っていく。いい加減に終わりにしよう。


NOWAR


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