政治家、政権が特定の勢力と結託し、便宜を供与したり、利得を与えたりするような事件を「疑獄」といった。ただの「汚職」よりもスケールが大きく、深刻なものだ。
大昔、造船疑獄では安倍晋三の大叔父の佐藤栄作が逮捕されそうになったが、議員の不逮捕特権で習慣をまぬかれた。私が見聞きしたものでも「ロッキード事件」「リクルート事件」などは「疑獄」であり、政権の屋台骨が揺らいだ。
アメリカでも「ウォーターゲート事件」は「疑獄」というべきなのだろう。

しかし、自民党の一党独裁が続くうちに「疑獄」は、「疑」のままに終わり、権力者が「獄」につながれることはなくなった。「疑獄」には「巨悪を追及できないままに終わる事件」という無念なニュアンスが加わるようになった。

ドナルド・トランプは、存在そのものが「疑獄」と言ってもよい人物で、ロシアの世論操作などもあって大統領になり、政治的な無知、無能を振りまきながら、一部の熱狂的な支持者によって4年間、アメリカの権力のトップに立った。そして議会襲撃事件など、忌まわしい事件を起こしたが、共和党右派の強い圧力によって多くの疑惑は「疑獄」のままに終わってしまった。

政治の場で「正義」が、十全に行われないのは、日本も同様だ。安倍晋三の長期政権では「森友」「加計」などの事件が起きたが、それによって政権が揺らぐことはなかった。
安倍政権の場合、内閣人事局を使って「官僚」に影響を及ぼし、さらにメディアにも圧力をかけた。安倍政権以降「記者クラブ」は、メディアの腐敗の温床になった。

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安倍晋三の横死によって明るみに出た、統一教会問題は、かつてないスケールの「疑獄」になる可能性がある。安倍晋三を頂点とし、自民党右派や野党政治家、さらには地方首長までを含む非常に多くの政治家が、反社会的集団である統一教会から資金や選挙協力などの恩恵を受け、見返りに統一教会の犯罪を隠ぺいし、様々な便宜を供与していた。しかも統一教会が集めた資金の多くは、韓国に送金されていたのだ。

これらの政治家は昔であれば「国賊」「売国奴」と呼ばれてもおかしくないはずだ。しかしこの手の言葉を使うのが大好きなはずの右翼は、極右政治家を支持しているために自家撞着を起こして押し黙っている。メディアは「おとなしくしていますので許してください」と平身低頭である。
かくして、統一教会問題も「疑獄」として、無念な形で終わるのだろう。

ひろゆきが言うように、この問題で、日本の政治家の多くが無節操で恥知らずで、選挙に勝たせてくれるのならだれとでも組んで、何でも言うことを聞くことが明らかになれば、中華人民共和国やロシアは同じ手法で、日本の政治家を懐柔し、日本政治に影響力を及ぼすだろう。

もう少しすれば日本の保守政治家の中に「習近平もいいことをした」「中国民主主義にもよいところがある」「台湾と中国が一体化する方が日本にとって有利」のようなことを、ちょろちょろ言い始める連中が出てくるのではないか。そして腰抜けメディアはその発言をそのまま伝えるはずだ。

我々は非常に悩ましい時代に生きている。



NOWAR


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