5年前の記事ではあるが。
日刊ゲンダイ
「文武両道あり得ない」下関国際・坂原監督が野球論語る
下関国際はレベルが高くなく、勉強やスポーツができる子どもが入ってくる学校ではなかった。この学校の監督になった坂西秀尚監督自身も全くの無名だったが、徹底的なスパルタで選手を鍛え上げた。

朝5時からの練習は
「半強制です。自主的にやるまで待っていたら3年間終わっちゃう。(中略)今の子は連帯感が希薄なんですよね。少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど」

自主性を重んじる学校には、絶対負けたくない。
「賢い子も『意味がない』と、すぐに言うでしょ?(中略)僕ね、『文武両道』って言葉が大嫌いなんですよね。あり得ない」
「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手がかわいそう』とか言われますけど、意味が分からない」
「他校の監督さんは『楽しい野球』と言うけど、嘘ばっかり。楽しいわけがない。僕は現役のとき、日々の練習で野球が楽しいと思ったことはなかった。『楽しく』という餌をまかないと(選手が)来ないような学校はちょっと違う」

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茫漠たる荒野のような価値観ではある。
近年、心ある高校指導者は、激減する競技人口を少しでも増やすために「野球の楽しさ」を生徒に実感させ、野球と一生付き合うような人間を育てようとしてきた。
しかしこの監督は、自身の「非エリート」というコンプレックスを原動力として、選手の首に縄をつけて野球をさせて甲子園に出場し、準優勝までしたわけだ。暴力を振るっていなければいいのだが。

こういう「昔の少年院」のような野球が好きな日本人はたくさんいるから、この監督は「名将」になっていくのだろうが、この学校から世界に羽ばたく野球選手や、一流のビジネスマンがどれだけ出てくるだろうか?

確かに「野球馬鹿製造工場」は、甲子園で勝つには効率が良いかもしれないが、これを全国で再びやり始めたら、野球は確実にマイナースポーツになっていくだろう。


NOWAR


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