昨年、大谷翔平がMVPに輝いたのは、WAR第一主義のMLBの価値観を逆手に取った感があった。
確かに46本塁打100打点はそれだけでMVP級の活躍だったし、そこに投手としての9勝をオンしたのだから、合わせ技でMVPはやむを得ないと言う感じではあった。

しかし、今季に関しては打撃ではアーロン・ジャッジが歴史的な猛打を続けている。大谷は本塁打3位につけているとはいっても現時点でジャッジに20本もの差をつけられている。打点でも大差が開いている。投手成績は昨年よりもややましだが、それでも「抜群」ではない。

Beseball ReferenceとFangraphsのア・リーグ選手のWARを並べてみる。いずれかで4.0以上のWARを記録している選手。

MVP


ジャッジはrWARでもfWARでもダントツの1位である。最も優秀な投手はサイ・ヤング賞、打者はMVPと棲み分けがほぼ決まってきつつある中で、今季はジャッジが圧倒的優位であろう。

大谷は打者としてはrWARでもfWARでも3点台。本塁打も昨年より少ないし四球も少ない。OPSも昨年は.964に対し今年は.888であり、明らかに成績は下だ。
むしろ投手としては、どちらも4点台であり、かなり評価が高いが、合わせ技でもジャッジには届かない。
そもそも昨年の結果を受けて「合わせ技はありなのか?」という議論もある。MVPは純粋に打者成績で選ぶべきだと言う声もあろう。

ちなみに大谷翔平はサイ・ヤング賞候補?という声も上がっている。確かに「候補」になる可能性はあるが、受賞の可能性は限りなく低いだろう。

日本メディアはジャッジと大谷がMVP獲得争いをしているように書いている。アメリカでも一部そういう報道があるが、端的に言って「提灯記事」だと思う。

MVPはとれなくても、今年の大谷は昨年に続き、すごい成績を上げているが「二刀流」としても昨年よりやや落ちると言うところではないか。
実態以上に持ち上げるのは、ナンセンスだ。正当に評価すべきだろう。


NOWAR


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