地方の独立リーグの球場では、観客席の後ろの方に囲いも何もない「喫煙所」があって、おっさんが煙草を喫っていることがある。
指定された場所がなくても、スタンドの後ろの方でしゃがんで煙草を喫っているおっさんを見ることもある。昨年、松山で行われたフレッシュオールスターでもそういう姿を見た。数年前には、地方のJRの車内で煙草を喫って注意された老人も見た。
宮崎、沖縄の春季キャンプでもキャンプ地の片隅に吸い殻が落ちているのも見た。

端的に言えば喫煙に関しては「田舎の方が緩い」のは間違いないだろう。田舎は高齢化が進んでいるうえに、男尊女卑の意識が強い。ネットへのアクセスが乏しくて「世間の動きに疎い」こともあるだろう。結果として「おっさんが煙草を喫う」風景がそこらじゅうで見られることになるのだ。

特に野球好きのおっさんには、喫煙者が多い。試合を見ていても、何度も席を立っては、香ばしいにおいを漂わせながら戻ってくる。どの球場の喫煙所もいっぱいである。おっさんが大部分で、おばはん、お姉さんもいるが。

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昭和の昔、西京極球場での関西六大学の立同戦(同志社から言えば同立戦)では「煙幕」という“作戦”があった。応援団の「みんな吸い込め―」の号令で、みんなが煙草の煙を思い切り吸い込み「吐け―」で一斉に吐き出す。応援席が白い雲に包まれた。敵に何のダメージも与えない攻撃ではあったが。

それは大昔の話、今、12球団の本拠地球場のスタンドで、煙草を喫う人間は、絶えて見たことがなかった。

毎日新聞
元熊本県議会議長で県議の井手順雄氏(63)=自民、6期目=が8月、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、全国高校野球選手権大会に出場した母校の試合を観戦中、観客席で加熱式たばこを吸っていたことが判明した。

動画も公開されているが、平然と加熱式煙草を喫い、カメラを向けられてもやめようとしていない。また、生徒から「気持ち悪い」と言われてもしばらくはやめず、学校関係者に「ここ禁煙ですよ」と指摘された後に喫煙をやめ、その後は禁煙パイプにかえたという。

喫煙習慣は文化と言うより「病気」だ。喫煙者は「ニコチン中毒患者」だ。自制心を発動しなければ、どこでも煙草を喫ってしまう。

この男は、自分が「男」で「保守系の議員さん」で「県議会議長まで務めた偉い人」だから、喫煙しても許されると思ったわけだ。
熊本のステイタスや慣習が、甲子園でも通用すると思って、喫煙したわけだ。田舎者、愚か者、熊本の恥、と認定しても良いだろう。

おそらく地元熊本の議員仲間では「それがどうした」で済む話だろうが、今の日本の常識では「非道」と言っても良い。週末のワイドショーでは叩かれることだろう。こういうおっさんが、偉そうにしているから、日本は進化せず、停滞しているのだ。

この男は「スポーツ振興」も公約にしている。火の国サラマンダーズともつながりはあるだろうし、はるかな後輩の村上宗隆には「先輩面」していることだろうが、少なくともスポーツ界からは「出禁」にすべきだ。



NOWAR


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