石戸諭が「NewsWeek」で書いたルポは、統一教会の現状について書いていて興味深い。

なぜ統一教会は今も「大きな影響力」を持っているように見えるのか【石戸諭ルポ前編】

石戸によれば統一教会は確かに自民党政治家と結託したが、自民にとっては多くある宗教団体の一つに過ぎず、信者数7万人と創価学会の100分の1だから影響力は小さい。「ずぶずぶ政治家」と言われた下村博文が「切ってもよい」とあっさり言うように、それほど重要な存在ではない。
ただ、教団自身が「政治家との関係」を信者の獲得や信仰心の強化にうまく利用していた。「反共」や「反ジェンダー」「親北朝鮮」などの思想信条は政治権力と結託するための「方便」にすぎない。

そして二世信者の中には、統一教会の教義を嫌い、すべてを捧げて困窮する親世代を嫌悪して離れる人も続出している。離れないまでも「あまり献金しない」「信仰もほどほどにする」ようなマイルドな信者も出てきている。教団の中にも、それを許容する人も出てきている。

いわば「マイルド化」とでもいうべき現象も起きているのだ。

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今のマスメディアが、統一教会への追及の手をさらに強めようとしている。メディアに圧力をかけてきた安倍晋三がいなくなったことも大きいが、統一教会がメディアの追及にまともに向き合っていないことも大きい。
先ほど言ったように、統一教会が相手にしているのは「権力者」「金を持っている人」だけであって、一般庶民は教化して信者にするか、無視するかしか考えていない。
だから、被害を受けた信者に謝罪することも、救済することもない。だからメディアはさらに激昂して追及する。

安倍晋三に近かった論客は、統一教会をへたに擁護することもできず、わずかに「メデイァのいじめだ」と言う程度だが、彼らの中には「統一教会はそれほど大層な勢力ではない」と言いたい部分もあるだろう。そして「統一教会はメディア対策が下手だなあ」とも思っているはずだ。

メディアの勢いは「教団への解散命令」へと傾きつつあるが、石戸は「それは教団が地下にもぐること(非公然化)」につながり、さらに過激化するかもしれないと言う。
私は、統一教会は、顕在する権力と結託することで力を獲得してきたのだから、非公然化することはあり得ないと思うが、確かに凶悪なカルトに変化していく可能性はあるとは思う。

石戸は、それよりも二世を中心とした「ほどほどの信徒」を増やして教団を健全化させる道もあるのかもしれない、と書いている。

昨日の記者会見からもわかるのは、統一教会と言うのは極めてプライドが高い教団であり、権威主義的だと言うことだ。
これまで記者会見に出てきた幹部は、ごく一部の特権階級だろうが、彼らとは異なる「まともな幹部」が出現するようなことがあれば、教団は変わるかもしれないとは思う。
ま、あり得ないような気もするけど。


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