統一教会の問題は、安倍晋三の国葬儀を過ぎても、収まる気配はない。何も解決していないのだから当然だ。
統一教会側はTBS系、日本テレビ系の2つの情報番組と3人の弁護士を名誉棄損などで提訴した。今回に関しては、放送局側も強気だ。結局、安倍晋三がいなくなったことで、メディアに露骨な圧力をかける人がいなくなったのだろう。鈴木エイトが「急に健全になった」と言ったが、まさにその通りだ。

「ミヤネ屋」は、宮根誠司のアクの強さが嫌われてマンネリ気味になっていたが、一挙に盛り返した。
昨日は、統一教会を永年追求してきた紀藤正樹、嵩原安三郎の2弁護士と、橋下徹が激論を展開したと言う。野球を見ていたのでオンタイムで見られなかったのは残念だ。

橋下は追いまくられている安倍派の政治家や菅義偉に言われて援護射撃したのか、あるいは勝手に忖度したのかもしれないが
「本当に信じてる人はどうするんですか?」「幹部たちの悪さ、組織ぐるみの悪さにはなかなか認定できないので、結局この問題というのは信者の違法行為の問題と献金をどうするか、そこをちゃんとしないと政治家もちょっと信者と関わっただけで批判されるという……」
と言ったと言う。太田光とほとんど同じ理屈だ。

こうした意見はざっくり言えば「統一教会の実態はよくわからないのに、悪質と決めつけることはできないだろう。信教の自由は守らないと」
ということなのだが、30年以上も統一教会の霊感商法を追及してきた紀藤らにしてみれば、笑止千万だろう。
嵩原は「ぶっちゃけ橋下さんが何をおっしゃっているか分からなくて」と苦笑した。
紀藤の
「反カルト法のような法律を導入すべき」という提言に、橋下は「反カルトというのは、あくまでも宗教に絞った規制。でも、(信者が)信じているのはしょうがない。だから教義内容や内心に踏み込むのは危険」と返したが、紀藤は
「40年前の議論を蒸し返している」といい、「(カルト規制法は)基本的には信教の自由には立ち入らない。諸外国の常識。そしてカルト規制法は団体規制なので、宗教団体に限らない」と反論した。

橋下徹は「弁護士」の肩書を振りかざして、一般人を恫喝するのが得意だが、弁護士は全能ではない。統一教会、霊感商法を永年追求してきた専門家の弁護士の前には、素人同然であることが露呈した。

24468135_s


橋下徹の敵はたくさんいるが、とりわけ有田芳生とは、名誉棄損訴訟をするなど不倶戴天の関係だが、統一教会の問題では橋下は有田との対立は避けている。「勝てない」ことを知っているからだろう。

橋下は、ウクライナ危機でも統一教会問題でも、まともなことが言えずに評価を下げているが、結局、この人間の身も蓋もない「新自由主義」、「勝てばいいんだろ」という「輩気質」が、知識やディベート能力の下から、どんどん滲み出しているのだろう。
おりしも、佐野眞一の死が報じられた。佐野は橋下の生い立ちを暴露しようとして失脚させられたが、もう少しアプローチを変えていれば、良いドキュメントを書くことができたのではないか。


NOWAR


興津立雄、全本塁打一覧|本塁打大全

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!