山本由伸の「左わき腹の違和感」は、持病が再発した可能性があるようだ。
だとすれば、日本シリーズの残りの試合はもちろんのこと、3月のWBCにつながる試合も辞退して、治療、リハビリに専念すべきだ。私は来年3月の東京ラウンドのチケットは全部抑えた。それはそれは楽しみにしているが、それでもプロ野球選手の長いキャリアに比べれば、重要とは思えない。
「世界一になるために燃え尽きる」ほどの価値はないと思っている。

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前にも触れたが、松坂大輔は2006年のWBC第1回は、西武から出場し、3試合に先発して3勝、ERA1.38でMVPに。2009年のWBC第2回は、レッドソックスから出場し、同じく3試合に先発して3勝、ERA2.45で2大会連続のMVPに選ばれた。

しかし2009年以降、松坂は二度と二けた勝利を記録することなく、14シーズンもの長い低迷期を過ごして引退した。
1999年のデビューから2008年までの10シーズンで、松坂はNPBで108勝、MLBで33勝したが、2009年から2021年の13シーズンではMLBで23勝、NPBで6勝しただけ。
端的に言えば、松坂は2回のWBCで燃え尽きてしまったのだ。

日本のファンも、栗山英樹監督も、日本は本格派のエースたちがWBCで轡を並べ、連日奮闘して勝利をつかむようなイメージを持っているが、おそらくそう考えているのは日本だけだ。

アメリカなどMLB出身選手が主力の国は、主戦級の先発投手は登場しないか、出ても3イニング程度の短い投球回を投げるだけのはずだ。開幕前の3月にフル回転することなど考えられない。
先発投手はスターター的な起用をして、第2先発、中継ぎ投手とリレーをして戦うことになるはずだ。5回以上投げる投手がいるとすれば、20代前半のAAA級の投手だろう。年俸調停前の若い選手だけが先発らしい投げ方をすると思う。

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大谷翔平も「WBCは救援で」と言っている。投げてもその程度だということだ。
日本はまたぞろ「甲子園気分」になって、先発が「腕も折れよ」と投げることを期待しそうだが、WBCはそういう戦いはもうしないはずだ。

それでもMLBの一線級の救援投手をNPBのレギュラー打者が攻略するのは、並大抵ではない。100マイル近い動く球を打てる日本人打者はそれほど多くないだろう。

その代わり、野手陣はフルスペックで出てくるはずだ。すでにマイク・トラウト、ポール・ゴールドシュミットなどスーパースターが出場を表明している。
こうした強打者に、日本投手がどこまで通用するか、それは楽しみではあるが、先発投手に無理をさせるのは禁物だ。

私は来年のWBCで日本が優勝する可能性はほとんどないとは思っているが、日本野球の「問題点」に気が付く良いきっかけになってほしいと思う。


NOWAR


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