※この記事、指摘を受けて修正した。
公認野球規則では、本塁、外野フェンスまでの距離も定められている。
Official baseball rulesの2.01 Layout of the Fieldの付記には

NOTE:

(a) Any Playing Field constructed by a professional club after June 1, 1958, shall provide a minimum distance of 325 feet from home base to the nearest fence, stand or other obstruction on the right and left field foul lines, and a minimum distance of 400 feet to the center field fence.

(b) No existing playing field shall be remodeled after June 1, 1958, in such manner as to reduce the distance from home base to the foul poles and to the center field fence below the minimum specified in paragraph (a) above.

日本の公認野球規則でも

  【付記】 (a) 1958年6月1日以降プロフェッショナル野球のクラブが建造する競技場は、本塁より左右両翼のフェンス、スタンドまたは左右両翼のフェアグラウンド上にあるプレイの妨げになる施設までの最短距離は325㌳(99.058㍍)、中堅のフェンスまでの最短距離は400㌳(121.918㍍)を必要とする。
  (b) 1958年6月1日以降現在の競技場を改造するにあたっては、本塁より左右両翼およびフェンスまでの距離を、前記の最短距離以下に短縮することはできない。

となっている。この規定に関しては、英語版でshall provide=提供する となっていて、推奨ではなく疑問の余地なく「そうする」というニュアンスだ。日本語で「必要とする」と翻訳するのは妥当だろう。

しかしNPB球団の本拠地球場では、公認野球規則に適合しているかどうか、疑わしい例がある。

現状のNPB球団本拠地の本拠地球場のサイズ。

Stadium-Size


1958年以降に新設される球場のサイズは両翼99.06m、中堅122m以上なければならない。しかし1978年に開業した横浜スタジアムは、現時点でこの基準を満たしていない。※建造時には横浜市が建てたので抵触しないとの指摘あり。修正する。

IMG_9358


実は1958年以降に建てられたその他の球場の多くも、建設時には両翼、中堅ともに公認野球規則に違反したサイズで建築されていた。
最初から公認野球規則に則って建てられた球場は、1988年の東京ドームが最初だった。

IMG_3892


以後各球団の本拠地は、公認野球規則に合致するように改装、改修が行われた。しかし恐らくは敷地や周辺立地など物理的な問題で、セの神宮、ハマスタ、甲子園だけがこの基準を今もクリアしていない。神宮などは一時期両翼101mと表示していたが、虚偽であると指摘を受けて97.5mに戻している。

IMG_0009


しかし神宮と甲子園は1958年以前に建てられたから、公認野球規則に抵触しているとは言えない。

ちなみにパの本拠地球場はすべてクリアしている。

私は今年、12球団の全本拠地13か所で野球を見たが、両翼のポールに距離表示があったのは、

バンテリンドーム

Banterin-Dome


ほっともっとフィールド

Hotomot


京セラドーム

Kyocera


札幌ドーム

Sapporo Dome


ZOZOマリン

ZOZOmarin


の5球場だった。距離の基準を満たしていない3球場に距離の表示はなかった。疚しさを感じているのかどうかはわからないが。

ただ付言するならば、MLBの本拠地球場もOfficial baseball rulesのこの規則をあたかも無視するかのように破りまくっている。

エスコンフィールド北海道の問題について考えるときは、この現状も考慮すべきだろう。

本塁からバックネットの距離よりも、球場の両翼、中堅までのサイズが違うことの方が、競技にはるかに大きな影響を与えるだろうからだ。



NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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