では、セットアッパーの変遷についても引き続き見ていこう。2005年からの最多ホールド投手の記録。こちらはいまだに「表彰記録」としてはホールドポイントだ。だから今年の阪神、湯浅は最多ホールドでありながらホールドポイントでは中日、ロドリゲスに1つ少なかったためにタイトルを取っていない。
セ・リーグ 最多ホールド投手

CL-HD


ホールドの誕生とともに鮮烈な印象を残したのは「JFK」の阪神、藤川だ。彼の活躍でセットアッパーと言う仕事が世間に理解された。

さらに2011年中日の浅尾が中継ぎとしては初めてMVPを獲得して、セットアッパーの重要性が認知された。

クローザーと違いセットアッパーは最初から救援投手の仕事だった。クローザーが導入されて30年が経過し、指揮官も投手にホールドを記録させる要領が分かっていたと言えよう。

ただ初期のセットアッパーは完了(GF)が多い。クローザーと掛け持ちさせたり、同点や同点の恐れがある9回にセットアッパーを投げさせることが結構あったのだ。
しかし近年はGFが減っている。これは、クローザーとの分化がさらに進んだと言えよう。

Yuasa


パ・リーグ

PL-HD


パ・リーグでは「セットアッパー一筋」と言う日本ハムの宮西が出て、その形は確立されたと言えよう。

最近のセットアッパーは被打率も1割台で、クローザーと比べても全くそん色ない成績を挙げるようになった。

今季の西武、平良は同僚の水上由伸とホールドポイント35で「最優秀中継ぎ投手」のタイトルを分け合ったが、9回を担当することも多く、久々にGFが二けたに乗った。

taira


3日ほど前に斉藤和巳さんに話を聞いたが「最近、救援投手の重要性が増しているのに、なんでこんなに年俸低いねん」と言った。
MLBでもそうなのだが、救援投手は「使い捨て」で報われないことが多い。地位の向上が必要だろう。



NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!