私は今季、村上宗隆のホームランを生で何本か見ている。それは本当に素晴らしかったと思うが、この言葉が流行語大賞と言うのには違和感がある。
今年は異常な出来事が前半から続いた。それはほとんど「忌まわしい出来事」ではあった。

2月24日に勃発したロシアのウクライナ侵略は、その最大のものではあろう。プーチン独裁政権は、ソ連時代の版図の回復を目指して「ネオナチの圧政に苦しむロシア系住民を保護する」という根も葉もない言いがかりをつけてウクライナに侵攻、しかし独裁政権特有の「疎漏な作戦」「杜撰な体制」のため、作戦は失敗に終わるも撤退戦略もまともにできず、冬に差し掛かって膠着状態になっている。
ロシアの戦争によって世界経済が混乱をきたし、物価の上昇、エネルギー危機を招いている。

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7月8日には、現政権の最大の権力者である元首相の安倍晋三が、奈良市で暗殺された。殺した山上徹也は「宗教二世」であり、旧統一教会によって一家離散、自身も前途を断たれた。その恨みを晴らすとともに統一教会の息の根を止めるためには、統一教会の最大の庇護者だった安倍晋三を殺害するしかないと覚悟を決め、凶行に及んだ。
その後の展開は予想外だった。政府自民党と統一教会の半世紀以上にわたる「癒着」が次々と明るみに出て、保守陣営は強烈なダメージを食らった。しかも日本の統一教会が韓国本部に事実上支配され、日本人の巨額の資産が韓国に流入していることが分かった。要するに日本の保守政治家は、自らの選挙のために魂を韓国に売ったわけだ。
この背信行為に日本中が怒り、政府自民党の支持は地に落ちた。岸田政権は安倍晋三と党派的に違っていたこともあり、問題意識が希薄で、対応が後手に回って傷口を大きくしている。

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2022年は10年に1度もないような大事件が2つも勃発したと言う点で、まがまがしい年だと言ってよい。

それに比べれば最年少22歳での三冠王は、些事に過ぎない。「野球の人」である私から見ても、この言葉が今年を代表するとはとても思えない。もちろん、日本シリーズで勝ったオリックスにまつわる言葉でもない。

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エントリーされた上位10の言葉には「キーウ」「宗教二世」「国葬儀」が入っている。これらを選ばなかったのは、ネガティブな言葉だからかもしれないが、毎年毎年明るい年ばかりではない。「凶事が続いた年」「忌まわしい出来事が起こった年」もあって、歴史は積み重なっていく。

選考委員は「暗い言葉はやめておこう」と思ったのだろうが、現実を直視しないで、今年の世相の何が見えると言うのだろうか?
もともとどうでもいいイベントではあるが、こんな腑抜けた選考をするようでは、毒にも薬にもならぬどころか、害悪だ。


NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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