大相撲の本場所観戦歴は50年を超すが、昔を思えば、大相撲は本当にしょぼくなったと思う。
今年の初場所から名古屋場所まで、合せて10日ほど本場所を観戦したが、良かったと思える日は1日くらいで、あとは凡戦続きだった。
今の力士は体が大きくなりすぎて、俊敏な動きができなくなっている。だからはたき込み、引き落とし、突き落としなどの引き技に弱い。特に上位の力士は簡単に勝とうと引き技を連発する。
反対に投げ技が減っている。吊りだしは絶滅危惧種になってしまった。紙相撲を見ているようなあっけない取り組みが増えているのだ。貴景勝など、得意技は、はたき込みではないかと思う。

相撲そのものが「体重比べ」「大きさ比べ」になった。アスリートタイプの力士は多少いるのだが、体重200㎏近い「大デブ」の前には技を活かすこともできなくなっている。

さらに深刻なのは、身体能力の高い力士が減っていることだ。昔は体が大きくとも一流のアスリートの運動神経や筋肉の持ち主がたくさんいて、彼らが横綱になっていたが、今は日本のトップアスリートで相撲界に入る人が非常に少ない。

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相撲界は人材不足を外国人力士で補ってきたが、それが「日本人力士の人材不足」にさらに拍車をかけた。また、相撲部屋が外国人力士を甘やかすために、トラブルが後を絶たない。
その結果として「第一人者」がいない状態が続いている。

大相撲が年6場所になった1958年以降の年間最多勝力士。赤字は勝率8割以上、青字は6割台

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大相撲は「〇〇時代」と呼ばれる区分で語られてきた。盛時の多くは「両雄並び立つ」時代だった。寛政期の「谷風・小野川」明治期の「梅・常陸」昭和期の「栃若」「柏鵬」「輪湖」「若貴」、力が拮抗した大力士が毎場所覇を競ったのだ。単独の第一人者が土俵を支配する時代もあった。「太刀山」「双葉山」「大鵬」「千代の富士」「朝青龍」「白鵬」などの大力士が時代を作った。

大相撲は目指すべき強豪力士がいて、それに後続の力士が挑戦すると言う構図で歴史が紡がれてきたのだ。

しかし、白鵬引退後の相撲界は第一人者がいない状況が続いている。照ノ富士が横綱になったが、分厚い膝のサポーターでもわかるように、長く第一人者でいれるわけではない。
今は、横綱、大関は平凡な成績しか上げられず、毎場所のように優勝力士が変わる。優勝した力士も翌場所番付が上がると星が上がらない。白鵬引退後、5年間で年間最多勝50勝台が4回、照ノ富士以外は横綱に上がっていない。そういや長いこと雲竜型の土俵入りを見ていない。

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その結果として来年初場所は1横綱1大関である。人材不足、ここに極まれりと言う感じだ。

直接的には、朝青龍を横綱審議会が引退に追い込んだのが大きいと思う。台頭する白鵬と「青白時代」を作っていたなら、土俵はもっと盛り上がったし、白鵬がプーチンみたいにのさばることもなかったと思う。私は朝青龍をやめさせるくらいなら内館牧子が辞めればいいのにと思ったものだ。
素行に問題はあったのは事実だが、不世出の力士をやめさせるのは自殺行為だ。

また相撲部屋が細かく分断されて中小企業の親父のような親方が増えて、高い見識を持つ指導者がいなくなったのも大きいだろう。

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照ノ富士は、長くはもたないだろうから、来年中には横綱土俵入りがない本場所ができるだろう。さらには大関になるほどの好成績を挙げる力士も少なくなるだろうから、寛政時代みたいに番付最上位が「関脇」になるかもしれない。

これは角界全体が目先の金儲けに目がくらんで、モラルハザードを起こしたことが大きい。
大相撲ファンの質が変わって、いわゆる好角家がいなくなり、アイドルみたいに応援するファンが増えたからそれでもそこそこお客は集まるだろうが、まともなスポーツとして見られなくなれば、早晩大相撲は衰退するのではないか。


NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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