フルカウント
西武・平良が侍ジャパン辞退の意向 先発転向決定…WBCより準備に注力
2023年3月に行われる第5回WBCは、前回までよりも各国の本気度が上がっている。特にアメリカ大陸、アメリカもドミニカ共和国もベネズエラも精鋭が出そろう。アジアでも韓国、台湾が充実した戦力で大会に臨もうとしている。

日本も負けてはいられない、のは間違いないところだが、WBCは3月の2週間足らずの間に行われる国際大会だ。3月と言えば、NPBの選手はまだ3末の開幕に向けて調整中だ。WBCでフル回転しようと思えば、1ヶ月近く調整を早めなければならない。
平良のようにコンバートを志向している選手には非常に厳しいスケジュールだ。

Taira2021


とりわけ投手にとってWBCのような短期決戦の国際大会は、非常にリスクが高い。気温が上がらない早い時期に、レギュラーシーズン同様に力投をすることで、肩肘を故障するリスクが高まる。
今回は準々決勝からトーナメントになるから、選手へのプレッシャーも高まる。

「球数制限」があるのは、こうした投手への過度の負担を考慮してのものだが、投手は1球で靭帯が損傷することがある。リスクは依然として高い。
すでに何度も述べているが、2006年、2009年のWBCで連続MVPを取った松坂大輔は、2009年以降、成績が急落して長い低迷期を過ごすことになった。

それを考えれば、投手起用は慎重であるべきだ。
栗山英樹監督は、ダルビッシュ有に参加を促している。ダルビッシュはMLBでの屈指の成績を挙げている投手だ。その経験と圧倒的な投球は、日本にとって大きな戦力になる。大谷翔平も投手としてサイヤング賞候補にもなった。栗山監督にしてみれば、この2人を「先発の柱」にしたいのだろうが、投手の抱えるリスクを考えれば慎重であってほしい。

今回は先発救援と言うより、短いイニングを刻んでいく継投策での戦いがメインになると思うが、若手中心でできるだけ、慎重な起用であってほしい。

イチローがWBCに出た一方で、松井秀喜が参戦しなかったことで、日本では一部「非国民」のような声が上がったが、これは恥ずかしい意見だと言えよう。「日の丸のために、自分の身を顧みず頑張るのが日本男児じゃないか」と言う年寄りもいるだろうが、こういう「同調圧」は、日本人の一番ダメな部分だ。だいたいそういう人間は、自分は安全な場所にいてリスクはとらない。

平良が良かったのは「WBCよりも自分のこれからのキャリアを優先します」とはっきり言ったことだ。アスリートは、自分の身の振りを自分で決めることができる。勇気をもって明言したのは素晴らしい。

平良が先発投手としてうまくいくかどうかはわからないが、今回の選択は素晴らしいと思う。


NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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