吉井理人コーチがベンチで飛び跳ねていた。自分の誕生日に初完封をする斎藤佑樹とは、何とかわいい弟子っ子だろう。真っ先に駈け出して、栗山監督に背後霊のようにはりついて、斎藤とタッチしていた。
昨日の好投は「遅い速球」に尽きるだろう。

yuki-Saito20120420




いつも140km/hはコンスタントに出る斎藤の速球だが、昨日は136km/hがいっぱい。しかし、4シームには見えたが、おそらく微妙に変化している。打者はこの球を攻めあぐねていた。ストライクが先行。序盤は、球速がさらに遅いチェンジアップが有効だった。

課題である立ち上がりを無難に切り抜けた。

しかし2回は2死から連打を浴びる。今日オリックスの先発のマスクをかぶった斎藤俊雄を三振にとって事なきを得たが、この時点では完封は考えられなかった。

学生時代から、調子の良い時の斎藤は、動く速球と、小さな変化の変化球で打者を面白いように打ち取っていた。その投球が徐々に見え始める。

オリックスの各打者は狙い球が絞れなかった。それでも6回までは粘りを見せる打者がおり、斎藤の球数は増えていったが、7回に決定的な4点を取られてからは淡白になった。

斎藤佑樹はスライダーが非常に良かったが、打者がこれを見送るようになるとチェンジアップを決め球に使うようになった。このクレバーさも持ち味だろう。

9回には2安打されたが危なげはなかった。

「速球を主体に攻めるとは、速い球を投げることではない」プロ入り早々に吉井コーチに言われたことの意味をはっきり理解したのではないか。

ただし131球は投げすぎ。オリックス打線に助けられた部分もあっただろう。李大浩はよく粘っているが、結局、NPBの変化球のレベルにはついていけない。6番に下げるべき時ではないか。


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