私は巨人の選手は応援していないが、記録的には常に坂本勇人に注目してきた。
彼は2020年に31歳10か月で2000安打を記録した。これは31歳7か月で達成した榎本喜八に次ぐ史上2位であり、右打者では最速だった。
遊撃手と言う激務をこなしながらほとんど故障せず、休むこともなく試合に出続け、打撃成績も向上していった。
張本勲の3000本安打を抜く可能性があるのは、当代では坂本しかいないと思っていた。
それが全く大げさでも何でもないのは、NPBの通安打数15傑と坂本の30歳シーズンまでの通算安打数を見ればわかる。

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張本勲は高校からプロ入りし、30歳のシーズンでは1722安打を打っていた。そして31歳以降で1363安打を打って前人未到の3000本に到達したのだ。

以下の選手の成績を見ると、高卒で早くからプロで活躍した選手は当然ながら安打数は多いが、大卒、社会人卒では少ない。
金本知憲のように30歳時点では580安打で、31歳以降に1959安打を打った選手もいる。まさに「鉄人」だ。
落合博満も30歳のシーズンでは492安打で、31歳以後に1879安打している。

対照的に2000本を最速で記録した榎本喜八は30歳時点で史上最多の1802安打を打ちながら、以後急速に衰え31歳以降では512安打しか打っていない。

坂本勇人は30歳の時点では、1711安打と張本、榎本に次ぐ安打数を打っていた。
私はNumber Webに3000本が狙えるのは坂本だけ、と書いた。

イチローや松井稼頭央がMLBに行かなければ達成可能だったと思うが、それ以外では坂本しかいない。

そのためには遊撃手から三塁あるいは一塁、外野へのコンバートが必要と書いたのだが、2000本を打ってからの坂本は、成績的にパッとしない。

その上に、くだらないスキャンダルですでに「晩節を汚している」かのような状況になっている。

巨人と言うチームはスター選手に甘いうえに昭和時代のコンプライアンス意識がまだ残っている。「男は女を泣かせるくらいでないと」「男の甲斐性だ」みたいな、昭和の遺物のような低次元の観念がまだ残っている。
野球とばく事件が起こったのも、巨人だからと言うところだが、あまりにも残念過ぎる。

ふやけたスター選手の姿はWBCでは見たくないし、NPBのペナントレースでももう十分な気がする。誰か凄い遊撃手が現れて、遊び人遊撃手の尻に火をつけてほしいものだ。

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1982・83年松沼博久、全登板成績

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