11月末でNPB球団と選手との契約期間が終わる。12月と1月は、特例を除いて選手はユニフォームを着て野球をすることができないが、芸能活動やボランティア活動はできる。有名選手は芸能事務所などとタレント契約もしている。
このシーズンに良く行われるのが「野球教室」だ。

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昭和の時代から、この時期によくやってきたものだ。近隣の少年野球チームに声をかけて、集まらせる。
選手は全員ユニフォームで、グラブやバットを持参し、投球フォームや打撃フォームを選手にチェックしてもらったりする。
ハイライトはプロ選手が見せる「模範プレー」だ。打撃練習で大きな当たりを飛ばすのが好例だが、少年投手と対戦したり、投手の場合、投球を披露したりもする。

こどもは「うわー」と声を上げる。そして「〇〇選手みたいになりたい」と思ったりするのだが、これって野球離れが深刻化する今となっては、ほとんど意味がない。

ユニフォームを着てグラブを持って集まっている段階で、この子供たちは「野球を始めている」。今の問題は「野球の裾野」がどんどん減っていることであって、すでに野球をしている子供は「釣った魚」だ。
こうした子供に野球を教えるのは無意味とは言わないが、優先順位は低い。

今の少年野球では、不勉強な指導者が多く、子供の肩肘を損傷させたり、罵声怒声を浴びせて子供を委縮させたりすることがしばしばある。野球競技人口の減少は、こうした粗悪な指導者にも責任があるとされるが、プロ野球選手の野球教室は、そうした指導者の啓蒙活動はほとんどしていない。そもそも問題意識がない場合が多い。

ひたすら「俺たちプロ野球選手は凄いだろう、お前たちも俺たちみたいになるために、指導者の言うことを聞いて練習しろよ」というメッセージを送り続けているだけだ。
喜んでいるのはプロ野球選手とお近づきになれた指導者などの大人だろう。

これは2018年の「ぐんま野球フェスタ」での写真だが、今はDeNA二軍監督になっている仁志敏久さんが、子供たちにジャンピングスローを教えているところだ。仁志さんはこれまでの「正面でがっちり捕る」と言うゴロ処理がすでに国際大会では通用しないことを説明して、新しい野球を紹介した。
指導者には大いに刺激になったようだが、こういう形ではっきり目的を持った指導をすべきだ。

Nishi



オフの時間を有効活用しようと思うなら、プロ野球選手も「今の野球界の問題点」を頭に入れてから活動すべきではないか。
余りにももったいない気がする。



NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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