イチローの野球教室に何の意味があるのか?自己満足じゃないのか?と言ったが、私はだからと言ってイチローを責める気は全くない。
彼がブレークした直後からプレーを見てきて、MLBに移籍してからもずっと追いかけてきた。

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WBCで帰ってきたときには、必ず見に行った。2009年

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2012年

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もちろん2019年の引退試合にも行った。

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2004年のMLBシーズン安打更新のときにも、2016年の3000本のときにも、毎日記録を追いかけたものだ。これだけ一生懸命になった野球選手は後にも先にもない。それは私だけではないはずだ。

多くの日本人を夢中にさせたイチローが、引退後にどんな生き方をしようと、文句のあろうはずもない。たまに日本に来て、ちょろっと野球を教えて帰ったとしても、それが彼の選択なのなら、それでいいとは思う。

ただ、寂しく思うのは、彼はもう「日本の人」ではないということだ。引退してからもマリナーズに所属している。そしてアメリカに居住している。

ナベツネなどが「イチロー君を巨人の監督に」とオファーしたときも、見向きもしなかった。
端的に言えば、一度MLBに受け入れられ、リスペクトされた選手は、日本に住んで、日本野球に復帰する気は全く起こらないのだろう。

経済的に不安がなければ、アメリカでの生活は日本よりも快適だ。元メジャーリーガーはプライバシーは守られるし、どこへ行ってもリスペクトされる。イチローはマリナーズの年俸を59歳まで分割で受け取っている。その額は年2億円、さらに60歳からは年額2300万円の年金も受け取れる。夫人はシアトルなどで不動産ビジネスを行って成功しているとも言われる。

これだけ快適な暮らしがアメリカでできるのに、馬鹿な先輩野球人がたくさんいて、いろんなところに気を遣わなければならない、こせこせした日本野球界でやりたいことなどないのだろう。

それはイチローだけではない。松井秀喜もヤンキースのGM特別アドバイザーの肩書を持ち、アメリカに居を構えている。上原浩治もアメリカに住んで、ときどき日本に小遣い稼ぎに来ているだけ。松坂大輔も同様だ。

田中将大、黒田博樹など例外もいるが、日本に帰ってきて、日本球界に復帰しているのは、端的に言えば「MLBであまり成功したとは言えない」選手だけだ。

おそらくダルビッシュ有や大谷翔平も引退すれば、そうなるのではないか。

日本よりもはるかに巨額の年俸を得て、それをうまく資産活用に活かした日本人メジャーリーガーたちは、日本に居住する意味を見出さなくなっている。日米球界の待遇の差はそれほど大きいと言うことなのだ。

毎年オフの「野球教室」は、実質的にアメリカ人になってしまったイチローの「せめてもの気遣い」なのだろう。
そう思うと、それでもいいや、とは思う。


NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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