中国は、まれにみる感染爆発の真っ最中に、海外旅行を解禁しようとしている。「ゼロコロナ政策を解除して感染爆発が起こっている」と言う事実を認めたくないからだ。
強硬なゼロコロナ対策で、14億の国民を持つ中国は、極端に感染者が少ない状況を3年近くキープした。この間に、はるかに中途半端な感染症対策しかできなかった西洋諸国では、徐々に感染者が増えた。ワクチンの効果もあって、多くの国で集団免疫が形成された。
日本は厳重な感染症対策をしていたために、集団免疫の獲得は遅れているが、ワクチンの効果もあって、第8波の中でも、死者、重症者はそれほど増加していない。

しかし中国では、極端な隔離政策を取ったうえにワクチンが粗悪だったために、集団免疫には程遠い。
「ゼロコロナの解除」によって、コロナウィルスは無人の野をいくように中国人民の間に広がり、億の単位で感染者が増えている。
ウィルスは感染が広がることで代替わりをし、変異株になっていく。感染症対策が遅れて全くの無防備だったインド、アフリカや南米で多くの変異株が生まれたのはそのためだ。

オミクロン株はコロナ変異株の最終型なのかどうかはわからないが、今、日本ではほとんどすべてがオミクロン株になっている。それ以前のアルファ、ベータ、デルタなどの株はほぼ死滅している。

しかし中国はそうではない。国内に古いウィルスが残存している可能性がある。これに海外から入ってきたオミクロン株も混在して、恐ろしい勢いで感染拡大している。

今の中国人が感染しているウィルスが一体どの時代のものなのかは、極めて疑問。症状が軽いオミクロン株に罹っているのなら、それほど心配はないが、それ以前の株、とりわけ毒性が強かったデルタ株の系統に感染しているとすれば、深刻な事態となる。

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中国は「海外旅行を解禁する」ようだが、世界はそれによってコロナを世界に再び広げかねない。
イタリアでは近頃入国した中国人の6~7割が陽性だったと言われる。これから中国は「懐かしのウィルス」を輸出することになるかもしれない。もちろんそのウィルスも変異はしているだろうが。

世界各国がこれを警戒して中国に限定した「水際作戦」を実施しようとしている。しかしそれは中国の「感染症対策の失敗」を世界、そして中国人民に知らしめることになりかねない。

だから中国は「水際作戦」に強行に抗議するだろう。彼らにとっては「真実」「国民の安全」よりも習近平以下の中国政権の「体面」「メンツ」が大事なのだ。

年が明けて、中国人がのどの痛みを訴えながら、続々と海外に観光旅行に出かけ始めて、新たな感染拡大が始まれば、世界の国が中国を非難するだろう。中国はますます苦しい言い訳と強弁をすることになるだろう。そして「世界の嫌われ者」になっていくのかもしれない。



NOWAR


1982・83年松沼博久、全登板成績

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